第12回がん診療連携協議会(以下、協議会)が平成29年4月20日に兵庫県私学会館で開催された。兵庫県内のがん診療連携拠点病院15病院の代表者と関係9団体の代表者が参加した。
第12回がん診療連携協議会(以下、協議会)が平成29年4月20日に兵庫県私学会館で開催された。兵庫県内のがん診療連携拠点病院15病院の代表者と関係9団体の代表者が参加した。
協議会のHPに掲載。28年度は4月21日に第11回協議会を、また幹事会を2回開催した(6月9日、2月23日)。県内の各がん拠点病院のPDCAサイクル実施計画・管理表の説明があった。
①兵庫県内のがん診療連携拠点病院等の指定状況
国指定(14)・県指定(9)・準じる病院(23)合計46病院。西神戸医療センターは、地方独立行政法人神戸市民病院機構が開設者となり、「市立病院」として運営されることとなった。また、加古川西市民病院は加古川東市民病院と統合し、加古川中央市民病院として運営されることとなった。これらの病院の他に小児がん拠点病院として県立こども病院が国指定を受けている。
②協議会会則、幹事会運営要領の改正について(幹事、部会員の確認)
・上記①の病院名称変更に伴い、兵庫県がん診療連携協議会会則及び兵庫県がん診療連携協議会幹事会運営要領が改正され、承認された。
・平成28年度第2回幹事会にて地域医療との連携強化を図るため、『がん地域連携パス部会』の名称を『地域連携部会』に変更することが提案され、協議会においても承認された。
③がん対策基本法の改正
・目的規定にがん患者が状況に応じて必要な支援を受けられるようにすることが課題となっていることが追加された。
・基本理念に福祉的支援や教育的支援など必要な支援が受けられるように社会環境の整備を図ることが追加された。
・がん患者の雇用継続等に配慮するように事業主の責務が追加された。
・専門的な知識及び技能を有する医療従事者の育成については、「緩和ケアのうち医療として提供されるもの」が追加された。
など、平成28年12月にがん対策基本法の一部が改正された。
④がん診療連携拠点病院・小児がん拠点病院のあり方に関する検討
小児がん拠点病院の指定更新は4年ごととなっていたが、がん拠点病院の改正時期と合わせるため、今回の小児がん拠点病院指定の有効期限が平成31年3月までとされた。
⑤平成29年度兵庫県がん対策予算について
インターフェロン等医療費助成の前年比減はインターフェロンフリー治療に係る薬剤単価減に起因するもの。
①「協議会・幹事会」関連
協議会は、28年度は4月21日に開催し、29年度は本日開催。幹事会は昨年6月と29年2月に2回開催。11月に第6回ひょうご県民がんフォーラムを開催した(兵庫医科大学・関西労災病院・近畿中央病院・柏原病院が担当)。29年度は幹事会を6月15日、30年2月22日に開催予定。11月18日に第7回ひょうご県民がんフォーラムを開催予定(担当は神戸大学医学部付属病院・神戸市立中央市民病院・神戸市立西神戸医療センター・県立こども病院)。テーマは未定。
②「研修・教育」部会関連
28年度のがん看護実務研修は5月30日~9月9日までの34日間、県立がんセンターにて開催。第2回兵庫県がん化学療法チーム医療研修会を昨年の9月に開催した。各種セミナーの開催では、肝がんセミナー、放射線セミナー、検査セミナー、薬剤師セミナーを行った。今年度もがん看護実務研修と各種セミナー、第7回県民がんフォーラムを行う予定。
③ 「情報・連携」部会関連
28年度の実務者ミーティングを例年どおり4回開催した。各施設のPDCAの内容の共有、認定がん専門相談員の研修や患者会との交流会を行った。実務者ミーティング事務局会議として3回実施。今年度はがん患者の就労支援の体制づくりとして、社労士・ハローワーク・産業保健総合支援センターと連携し、情報を共有していく予定。ピアサポーター養成事業の体制づくり継続を支援する。
④「がん登録」部会関連
28年度に、がん登録実務者ミーティングを年3回開催した。都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会がん登録部会に参加した。また全国がん登録実務者研修会を開催した。今年度は全国がん登録に関する研修会等を開催する予定である。
⑤「緩和ケア」部会関連
第4回都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会緩和ケア部会に出席。地域の緩和ケアの質の向上のために多職種をまとめていく地域緩和ケア連携調整員研修が行われた。緩和ケア研修会指導者の会と患者会の合同検討会が行われた。また、緩和ケア研修会の受講率90%達成が必須となっているため、緩和ケア研修会の開催に各病院は協力をしていただきたい。(29年3月末時点で修了者 4,027名)。
⑥「がん地域連携パス部会」関連
昨年度は5大がんのパスを見直し、幹事会・協議会で承認された後協議会のHPに掲載した。また、大腸がんESDパスを作成した。肺がんのイレッサ・タルセバのパス、またパスの電子化は継続審議とする。
以上の平成28年度活動報告及び平成29年度活動計画は、すべて協議会で承認された。
「がん・生殖医療ネットワーク」が設立され運用を開始している。今後の課題として、男性がん患者の対策も検討していく。
全国共通がん医科歯科連携DVDでの講習会の開催やがん患者医科歯科連携事業の強化に向けた取り組みを行っている。協力歯科医療機関情報の整備として協力歯科医療機関のマップ図をHPにて掲載している。
28年度は小児がん拠点病院対象の研修会・講習会を行った。今年度12月には陽子線治療センターが開設される。
この計画はH25年4月に5年計画として作成された。兵庫県の全体目標として75歳未満の年齢調整死亡率を25%減少としているが(国の目標は20%減少)、この10年間は20.5%の減少で、77.3と全国値(78)に肩を並べた。この対策として健康ひょうご21大作戦やたばこ対策などを推進している。早期発見の対策として28年度は、女性特有のがん検診受診率促進事業や胃内視鏡検査導入に伴う胃がん検診従事者研修などを行った。また療養生活の質の維持向上、がん患者の治療と職業生活の両立支援なども引き続き行っていく。就労支援に関しては、がんと診断された時からまず離職防止を推進していく必要がある。
以上