兵庫県がん診療連携協議会(以下、協議会)では、がんの地域連携クリティカルパス(以下、「連携パス」)兵庫県統一版を平成22年10月に策定し運用を行ってきました。一定の成果は得られましたが、なかなか進みにくいとの認識のもと、平成26年度、幹事会に連携パス部会を設置し意見交換を行いました。
意見交換では、「連携パスの種類により使用頻度に差があり、適応条件や使いやすさ等に問題はあるが、連携パスは地域連携における関係構築のきっかけづくりとしても有用のため、拠点病院としては継続使用を原則とすること」が確認されました。また、兵庫県の統一版の連携パス策定後5年経過し課題もあることから、「パスの簡略化、電子化、情報共有など」の要請があり、27年度に連携パスのワーキンググループ(以下WG)を中心にして約1年をかけて連携パスの見直しを行いました。
このたび、パス部会(28年1月)及び幹事会(同年2月)において、見直し後の連携パスが承認されましたので、順次HPに掲載いたします。
患者さん・ご家族、ならびに医療関係者の皆様には、がんの地域連携の推進についてのご理解、ご協力と連携パスへのご参加をよろしくお願い申し上げます。また、各臓器連携パスの内容につきご確認を頂き、ご意見、ご提案などがございましたら、このHPの右上の「お問い合わせ」ページを用いて、事務局あてご意見等をお寄せくだされば幸いです。
【がんの地域連携パスを、より安全で使いやすいものにするための考え方】
- 1)基本的な考え:
- ・患者と家族・かかりつけ医(連携医)・拠点病院の3者にメリットがあるように
- ・煩雑ではなく、簡便で、使いやすいもの(パスの簡略化)
- ・すべての患者は、地域医療連携で地域完結型医療を推進する
- 2)連携ノート:
- 連携ノートは、患者・家族が記載する(医療関係者はサポートを行う)
- ・大きさは、A4、B5、A5など(各拠点病院で決定する)
- ・緊急時連絡先なども記載(まずはかかりつけ医との相談を前提とする)
- ・がんの治療の全体像、流れ、チームの役割を提示して安心感を高める
- ・大まかな検査予定の確認を行い、患者・家族で管理する
- 3)医療者用の連携診療計画表:
- 医療者用の連携診療計画表を用いて検査の予定の確認を行う
- ・医療者用の連携診療計画表から症状などの項目は削除する
- ・診察所見は、カルテに記載する
- 4)医療者用のパスの説明文書:
- 診療情報提供書に記載する内容は、医療者用のパスの説明文書から削除する
- ・同意書については、各病院で決定する
- ・がんパス専用のFax送信用紙の使用は自由とする(通常の診療情報提供書で可とする)
- ・医師会には「冒頭にがんの連携パスで経過観察中の患者さんです」の文言をいれて頂くように要請する
- 5)電子化について:
電子化については、h-Anshinムコネットなどで対応準備中のため、継続審議とする
平成28年4月
兵庫県がん診療連携協議会 議長
(兵庫県立がんセンター 院長)
足立 秀治
兵庫県での現状と取り組み(PDF : 422KB) |
がんの地域連携パス運用時の確認事項について |