兵庫県がん診療連携協議会
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令和5年度 第2回 兵庫県がん診療連携協議会幹事会 議事録 令和6年2月8日(木)Web開催

 第2回幹事会が令和6年2月8日(木)にWebにより開催され、兵庫県内の地域がん診療連携拠点病院等45病院及び関係病院等2施設・2団体の代表者が参加した。
 ※ 幹事、事務担当者等、代理を含め100名が出席 (欠席施設等:2施設、1団体)

(1)前回幹事会及び協議会議事録の確認

 昨年6月8日開催の第1回幹事会議事録は、本協議会のホームページに掲載されているので、内容の確認をしていただきたい。

(2)がん対策について (資料2/PDF: 8,448KB

①第6次兵庫県がん対策推進計画(案)について
 兵庫県疾病対策課から第6次兵庫県がん対策推進計画案に係る基本理念、根拠法などの説明の後、新計画を策定するにあたっての改定の視点や分野別施策等について説明があった。
 具体的な計画の内容として、がん予防の推進では健康づくりとたばこ対策、早期発見の推進ではがん検診の受診促進のために市町或いは企業との連携を進める。医療体制の充実では個別がん対策の推進として小児AYA世代、高齢者等のライフステージに応じた対策、医療提供体制として医療体制の構築、医療従事者の育成、がん患者の療養生活の質の向上として緩和ケアの推進を盛り込んでいる。がん患者が安心して暮らせる社会の実現では、相談支援、就労支援、自殺対策、がん教育の推進を考えている。がん対策を総合的かつ計画的に推進するための事項として、感染症や災害等を見据えた対策、目標達成状況の把握及び評価のためのロジックモデルの活用を盛込むことを予定している。
 今後のスケジュールとして、1月11日からパブリックコメントを実施、この結果を踏まえて第3回健康づくり審査会対がん戦略部会を経て3月中旬に新たな目標を設定して4月に公表したい。

②がん診療連携拠点病院等に関する整備指針の改定について
 がん拠点病院等の整備指針の見直しは4年に1回、拠点病院の指定期間と合わされて行われている。一方、がん対策推進基本計画の計画期間は6年間で、基本計画で定めた医療提供体制が整備指針に反映できないのではという議論がある。成人のがん拠点病院の制度はある程度整備が進んでいることから基本計画に合わせて6年ごとの見直しとし、次の整備指針は令和10年度に見直しが予定されている。一方、ゲノム医療の整備指針についても、技術開発の進展や患者数の増加などから、従来通り必要に応じて見直すことで進められている。
 改定スケジュールとしては、現在の拠点病院の指定期間が令和5年度から令和8年度までになっているので、一旦令和8年度で切れた指定期間を指定要件の充足状況を確認しながら、2年間の指定を行い、新たな整備指針に基づいて11年以降も指定条件を満たす場合は、6年間の指定を行うと聞いている。今後、医療を取り巻く環境が大きく変わらない限り、このように運用されるということになる。

③アピアランス支援モデル事業の公募について
 先週末に厚労省から昨年度に引き続き令和6年度のアピアランス支援モデル事業の公募通知があった。条件は、「がん患者にアピアランスケアに関する情報提供、相談支援を行い、多職種で連携して応じられる体制を整備していること」、「厚労省の調査班に参加・協力すること」、「国指定の成人又は小児の拠点病院であること」、「アピアランスケアを行った経験がある医療従事者を確保していること」、「本事業の趣旨を理解して施設全体として対応可能な体制が確保できること」などがある。採択される病院数は10施設が予定され、補助枠は250万円程度、採択は原則1都道府県あたり1病院で計画書は2月20日までに疾病対策課へ提出いただきたい。

(3)協議会・幹事会並びに各部会の令和5年度活動報告及び令和6年度活動計画について
資料3/PDF: 8,000KB

①「協議会・幹事会」関連
 令和5年度は、4月13日に第18回協議会、6月8日に第1回幹事会、本日2月8日に第2回幹事会をWebで開催している。第13回ひょうご県民がんフォーラムは、兵庫県民会館の「けんみんホール」で加古川中央市民病院の担当で「手術、薬だけじゃない がん治療」をテーマに10月21日に開催し、会場85名、Web 45名の参加があった。
 令和6年度の活動計画は、4月11日に第19回協議会、6月6日に第1回幹事会をWeb開催で予定している。第2回幹事会の開催日は今のところ未定です。第14回ひょうご県民フォーラムは10月19日に兵庫県看護協会会館で兵庫医科大学病院の担当で開催を予定している。

②「研修・教育」部会関連
 令和5年度の活動報告は、「がん看護コアナース育成セミナー」を3回に分けて実施。内容は、「患者から死にたいと言われた時」「がん患者の生活暮らしを支える」「事例検討」です。研修教育セミナーは10月7日パルテホールで「がん診療におけるAIの最新活用」をテーマにハイブリッドで実施、会場14名、Web 61名の参加があった。明石市民病院の企画いただいた。放射線セミナーは、10月14日にパルテホールでハイブリット方式により開催、会場55名、Web 147名の参加があった。テーマは「肝臓がんの診断と治療-update-」。さらに検査セミナーは12月2日、パルテホールでハイブリット開催。会場12名、Web 78名の参加があった。テーマは「初診時からのゲノム医療~婦人科ではどのように治療計画を立てるのか〜」をテーマに開催した。薬剤師セミナーは来週の土曜日、2月17日に開催予定。けんみんホールで、テーマは「婦人科がん治療 irAE対策」。がん診療連携拠点病院を対象とする第9回 兵庫県がん化学療法チーム医療研修会は、11月12日に「がん治療における妊孕性温存」テーマに開催を予定していたが、諸般の事情で開催できなかった。第13回 ひょうご県民がんフォーラムは、先程報告があったが、10月21日に「手術、薬だけじゃないがん治療」をテーマに、加古川中央市民病院のお世話で会場85名、Web145名で開催された。
 令和6年度の活動計画は、未定のところが多いが、がん看護コアナース育成セミナーは、前回同様に3日程度に分けて行いますが、詳細は決定していません。がん診療連携拠点病院を対象とする兵庫県がん化学療法チーム医療研修会は、今年度開催できなかったので、来年度は是非お願いしたい。研修教育セミナーは、10月5日パルテホール(仮)となっているが、会館の改修工事が入る可能性があるということです。川崎病院に企画をお願いしている。テーマは「消化器がんに対するロボット手術の現状と未来」で、現地会場とWebのハイブリット方式を予定している。放射線セミナーは10月12日、テーマ、開催方式は未定です。検査セミナーは12月7日の予定で、場所とテーマは未定、ハイブリット方式で開催を予定している。薬剤師セミナーは来年1月18日又は2月8日で、テーマ、開催方式は未定。第14回ひょうご県民がんフォーラムは先ほど案内があったとおり、10月19日兵庫医科大学病院が担当し、兵庫県看護協会会館で開催予定です。テーマ、開催方式は未定。

③「情報・連携」部会関係
 令和5年度活動報告は、部会を年4回。内容は、早期からの就労支援、妊孕性を支える相談支援、がんピアサポーターと概ね計画通り実施し、事務局会議についても計画どおり開催している。またピアサポーターの活用に関しては、拠点病院だけではピアサポーター全体をフォローアップすることが難しいので、ひょうごがん患者連絡会の方の協力で年2回ピアサホーターのサポートとトレーニングを行ってもらっている。12月8日には部会の総会ということで、各施設におけるがん相談支援センターの管理者の方の参加を得て情報・連携部会の活動の見直しについて議論し、「情報・連携部会の業務軽減について」を作成した。これは昨年の幹事会で情報連携部会の業務が過大ではないかとの指摘を受け、全メンバーの現状調査アンケートを行い、改善策を検討したもので、大きな改善点として業務のスリム化と相談支援センターの責任者の出席を依頼する改革案を策定する。内容について後ほど審議いただきたい。
 アンケートでは大半の部会員が部会活動に負担を感じ、8割位の人が業務量の調整等に配慮があるが、働き改革に逆行してサービス残業や自宅作業等が生じていると回答があったので、抜本的な変更が不可欠と判断した。部会は一般社会に通用する成果物が求められるが、責任ある人は相談実務に携わっていないので実務とかけ離れた議論になってしまうため、一相談員である実務者が参加してその成果物を相談員が作成しないといけないが、外に出す成果物は公的な企画案にまとめるために何段階もの修正等が必要になってくる。また、部会は相談員の通常業務とスキルを把握しながら勤務調整する立場にないので、相談員の通常業務量と部会の業務にミスマッチが発生している。
 そのために策定した業務軽減案は、年4回の部会を土曜日の2回にする。毎月開催している事務局会議を隔月開催にし、がん相談支援センターの方針決定や相談員の労務管理を行っている責任ある立場の人と実務者の2名を部会員に登録することを考えている。また、来年度は就労支援3か年計画の最終年のため就労支援は維持するが業務量を減らすことができると考えている。このように質を維持しながら業務は縮小整理し、部会員の負担を減らせると考えている。

〇令和6年度の情報・連携部会の改善案についての質疑応答

 ・この案について、出席者から副院長か責任ある立場の人になっているが、2か月に1回の半日規模の会議の出席が必須になるか。

 (回答)

  副院長より相談員の労務管理に携わっている方を想定している。副院長クラスの方は、実際に相談員の業務調整に携わっておられないので、師長さんクラスの方を想定している。2か月に1回の事務局会議は1~1.5時間位を想定している。

 ・実務を取り仕切っている人を想定しているとの認識でよいか。

 (回答)

  そうです。

 ・毎月開催してきた事務局会議を2か月に1回に減らすということでよいか。

 (回答)

  そのとおりです。

 ・参加は1名だったが、労務管理をする人も含めて2名になるのか。

 (回答)

  相談支援の実情は緩和ケア部会と違い、会議は管理的立場の人だけでは現場の意見に即した対策にならないので、実務者が補佐的立場で参加するイメージを持っている。これはシュミレーションなので、うまく機能するかは実際に動かしてみて、修正すべき点が出てくれば修正する。管理的立場の方が参加されていれば、組織的形態について意見いただき、随時修正ができると考えている。

 ・労務管理をしている人にも出席してもらうのは、しんどい業務を理解してもらうことか。

 (回答)

  アンケート調査結果にもあったが、配慮があるにもかかわらず8割の人がサービス残業が発生していても部会はどうすることもできない。各施設の中でその人だけの業務と言うことではないと思うので、誰にどの業務を振り分けるかについて判断できる立場の人が参加しないと、部会の活動を業務の一環として運営していくのは難しいと考える。

 ・考えは正しいと思うが、結果的には今まで1人の出席が2人になれば、たとえ2か月に1回になっても病院からのマンパワーは同じになる。なおかつその1人が管理職的な人ではやはり時間外になる可能性があり、それなりに負担になる。また、部会は3か月に1回が半年に1回になるについても、半日だったのが土曜日の1日になる。案は前進ではあるが、病院からのマンパワーとしてはあまり変わらない気がする。さらに今後ご検討いただけたらと思いました。

 (回答)

  ご意見ありがとうございました。今回色々ご意見いただいたのが業務整理のきっかけになっているので継続してご意見を頂きながら動かしてみて、効率化を進めていければと考えているが、情報連携部会としてやらなければいけないミッションもある。

 ・部会の改善案は走りながら改善していくことですが、2024年度からは「働き方改革」もあるので、どの部会においても検討見直しをお願いする。

〇承認について

 ・反対意見等はなかったので、幹事会として承認するが、最終的には4月の協議会で承認をもらうことになるので、宜しくお願いしたい。

④「がん登録」部会関連
 令和5年度は全ての会議をWebで開催した。6月27日の部会は、5月16日に開催された都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会のがん登録部会に参加た内容について情報共有し、44施設54名の参加があった。院内がん登録実務者ミーティングの1回目は、11月14日に市立伊丹病院が担当して国立がん研究センターの江森先生を講師に、92施設198名の参加で開催した。2回目は、2月2日に県立淡路医療センターの担当で、協議会HP公表予定のがん登録情報について協議した。同じ日に院内がん登録実務者ミーティング事務局会議も開催して当番病院とかミーティング内容について検討し、22施設23名の参加があった。また、がん登録の状況把握アンケート調査は、昨年度の幹事会で案内とおり、8~9月にかけて実施した。全国がん登録実務者研修会は、9月から10月の約1か月間で、国立がん研究センターの松田先生を講師に、全国がん登録の届出事務とデータ分析について説明いただいた。
 令和6年度活動計画は、5年度と同様に6月にがん登録部会を開催し、都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会の内容について説明する。院内がん登録実務者ミーティングは、11月と2月に開催を予定している。全国がん登録に関する研修会の開催時期は未定です。協議会のホームページに掲載している院内がん登録情報も、2021年の症例を施設別、部位別がん登録件数を引き続き掲載する。現在、大腸・胃・肺の3つのがんを掲載しているが、乳がんと前立腺がんが最近増えてきているので、この3つのがんに加えて「乳がん」と「前立腺がん」を加えた5つのがんについて公表する。
 先ほどの8~9月に実施したアンケートは、がん診療連携拠点病院の方を対象に実施した。70%ほどの35医療機関から回答を頂いた。1つ目の人員配置は1~5人以上でかなりバラつきがあり、「専任」、「専従」とも、0人を除けば1人という施設が一番多く、就業時間の5割未満従事している「その他」においても一番多い状況となっている。「個人情報の取扱い状況」では、個人情報の漏えい等の事故発生時の対応手順を整備されている施設が7割を超えていた。作業場所については、他の業務と独立した場所が確保されている施設が3割程度にとどまっている状況であった。プリンターやコピー機などの機器類を他業務と共有せず作業場所に確保されている施設が25%程度となっていた。パソコンなど外部ネットワークから独立した環境になっている施設は7割程度あった。電子媒体、あるいは紙媒体の保管する鍵付きキャビネット等は、6割が整備されていた。がん登録推進法20条に基づき病院が申請すれば情報の提供が受けられる規定で、申請の予定があるかの問いでは、未定という施設が75%程度あった。その理由は、必要性がないが3割弱。安全管理の整備が遅れているとの回答が最も多かった。がん登録に対する幹部職員の理解については、「とても理解がある」「どちらかといえば理解がある」を合わせて8割程度で、2割程度は理解がないというところである。これは病院の規模に関係なく、病院経営というところから理解が得にくいことも考えられるが、これを機に少しでも「がん登録」に関心を持っていただきたい。

⑤「緩和ケア」部会関連
 令和5年度活動報告は、都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会 第11回緩和ケア部会に12月8日Web開催で出席した。当緩和ケア部会は年4回Web開催で、既に11月30日までに3回開催し、2月22日に最終回開催を予定している。症状緩和のための専門的治療体制に関する実態調査ということで、主に神経ブロック、IVRに関して各施設の状況、診療体制についてアンケート調査を協議会のホームページに公開している。緩和ケアフォローアップ研修は12月2日にWeb開催し、参加は21名であった。第14回兵庫県緩和ケアチーム研修会は、加古川中央市民病院の当番幹事病院で2月4日にWeb開催した。緩和ケア研修会指導者の会は1月31日にWeb開催した。緩和ケアチームピアレビューは、10月13日に兵庫医科大学病院、12月6日に県立がんセンターの2施設に受診いただいた。受診施設には部会からレビュー、コメント含めて報告書を送付した。緩和ケア部会の運営事務局会議を毎月第一金曜日にWeb開催している。緩和ケア研修会は順次各施設で開催して頂いている。令和6年度の詳細な開催報告は、4月の協議会で報告させ頂く。
 令和6年度の活動計画は、概ね今年度の活動を踏襲する予定。都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会緩和ケア部会は日時が未定。当部会も4回開催の日付は確定しWeb開催を予定している。緩和ケア研修会については、各施設に開催日程をアンケート調査しているので、年度の初めに協議会ホームページに掲載を予定している。部会運営事務局会議は部会及び小集団の進捗管理を行っているので、毎月第1金曜日の開催は継続する。小集団活動の運営についても継続していく。次年度の第15回兵庫県緩和ケアチーム研修会は、兵庫県立尼崎総合医療センターが担当病院となって開催を予定している。日程、開催方式は未定です。緩和ケアフォローアップ研修も日程は決まっていないが開催を予定している。健和ケアチームピアレビューは担当医師、看護師の参加をいただき、Webにより2施設以上で実施したい。、特に国指定の拠点病院は受けて頂きたいので、緩和ケアチーム等に相談していただきたい。症状緩和のための専門的治療体制に関する実態調査は、情報更新の必要があるので次年度も実施してホームページに反映し、各施設のホームページにリンクさせて利便性を上げたい。緩和ケア研修会指導者の会も日程は未定だが、開催予定。
 部会のPDCAサイクルは、2月22日の部会で承認しようと考えているが、小集団活動のピアレビューとがんの痛みに対するインターネット治療の2つの課題は一応達成できた。次年度は項目を5つに増やす予定で、協議会で報告する。
 また、緩和ケア部会の業務が増えてきているので、できるだけスリム化をしたいと考えている。会議等はできるだけ勤務時間内にしたい。各施設の業務に考慮するが、部会の活動も勤務として認めていただきたい。研修会等で日曜あるいは時間外になることもあるが、それも必要最小限にするので、ご理解とご支援をお願いしたい。

⑥「地域連携」部会関連
 令和5年度の活動報告では、昨年度のがんパス使用状況は登録件数1,467件、累計12,854件でした。次に各がんの地域連携パスを見直しました。これについて前立腺がんと肺がんのパスの見直しについては、この後に説明して頂く。がん地域連携についてのアンケート調査では、遠隔診療は48施設中9施設でWebでの退院前カンファレンスが実施されていた。
 令和6年度の活動計画では、がんパスの使用状況の検討、地域連携パスの運用上の問題点の抽出と改訂、がん地域連携に関する問題点を抽出、対応することとしている。

・前立腺がんパスの改訂について

  改訂は、➀新しい前立腺がんの薬剤が出てきているので、診療実態に合わせて追加と名称修正をした。➁注射の表記を㎎から何か月製剤という形に変更した。③計画書の表記を簡略化し、骨修飾薬の項目を追加した④非常に安定している患者の場合、連携医療機関の先生の判断で「計画策定病院の受診を情報提としても可」とする文面を追加した。⑤骨修飾薬について、顎関節症等の口腔外科の口腔ケアが必要であることが増えているので、連携ノートにかかりつけ歯科医の項目を追加したとの説明があった。

・肺がんパスの改定について

  今回、肺癌取り扱い規約第8版に対応して改訂し、術後によくみられる症状として「呼吸困難(息切れ・息苦しさ)」を書き加えたとの説明があった。

〇地域連携パスの改訂に係る承認について

  両方の地域連携パスの改訂案について異議がなかったので、改定案は承認する旨発言があった。

(4)がん生殖医療について (資料4/PDF: 348KB

  今年度の「兵庫県がん・生殖医療ネットワーク」の運営状況を紹介する。2023年1月から12月までの1年間で女性53名カウンセリングを受け、男性48名でそれぞれ妊孕性温存したのは女性49名、男性48名です。原疾患の内訳は乳がん26名、血液疾患8名、婦人科疾患5名、その他14名、精巣腫瘍6名、白血病、リンパ腫が21名、骨肉腫6名。
 不妊治療施設が、現在は英ウィメンズクリニックと兵庫医科大学だったが、徐クリニックが再度妊産婦等の申請が認められたので、夏頃から追加になってくる。妊孕性温存症例数に関しては、英ウィメンズクリニックが受精卵7件、卵子19件、兵庫医科大学が受精卵0件、卵子凍結10件、卵巣凍結は英ウィメンズクリニック0件、兵庫医大学が10件、精子凍結は英ウィメンズクリニック32件、兵庫医大学が12件となっている。英ウィメンズクリニックにおいては卵子凍結が19名、精子凍結32名、受精卵7名という内訳で、兵庫医科大学は卵子凍結10名、卵巣凍結10名、精子凍結12名で、相談だけは4名という内訳です。兵庫県全体では、卵子凍結29名、卵巣凍結10名、精子44名となっている。助成制度が2021年4月から始り、グラフの推移は2016年から2023年の妊孕性温存した患者の症例数を示しているが、兵庫県では50名前後で凍結等がなされていることに成る。
 不妊治療施設が、現在は英ウィメンズクリニックと兵庫医科大学だったが、徐クリニックが再度妊産婦等の申請が認められたので、夏頃から追加になってくる。妊孕性温存症例数に関しては、英ウィメンズクリニックが受精卵7件、卵子19件、兵庫医科大学が受精卵0件、卵子凍結10件、卵巣凍結は英ウィメンズクリニック0件、兵庫医大学が10件、精子凍結は英ウィメンズクリニック32件、兵庫医大学が12件となっている。英ウィメンズクリニックにおいては卵子凍結が19名、精子凍結32名、受精卵7名という内訳で、兵庫医科大学は卵子凍結10名、卵巣凍結10名、精子凍結12名で、相談だけは4名という内訳です。兵庫県全体では、卵子凍結29名、卵巣凍結10名、精子44名となっている。助成制度が2021年4月から始り、グラフの推移は2016年から2023年の妊孕性温存した患者の症例数を示しているが、兵庫県では50名前後で凍結等がなされていることに成る。
 厚生労働省の研究促進事業が助成事業として始まったが、施設の認定の縛りがあって英ウイメンズクリニックと兵庫医科大学だけで兵庫県がん・生殖医療ネットワークを構成したが、その後に徐クリニックが整備されて加入されたので、来年度の統計には徐クリニックも含めて報告させてもらう予定である。

(5)がん患者医科歯科連携事業について (資料5/PDF: 155KB

  令和5年度実施事業として、がん診療連携拠点病院のがん患者さんの手術等において、かかりつけ歯科医がわからない時の協力歯科医のリストを提供できるように整備更新を行っている。また、がん医科歯科連携講習会は年1回、口腔がん対策推進研修会は大阪大学歯学部口腔がんセンター長、兵庫県立がんセンター緩和ケア認定看護師さんを講師に開催し、口腔がんの早期発見のための実習を2回行った。
 令和6年度についても同様の取り組みを行うので、今後、何かありましたら言って頂ければ対応していきたい。

(6)小児がんの進捗状況について (資料6/PDF: 3,000KB

  当院は第3期の小児がん拠点病院に認定され、第4期のがん対策推進基本計画においては、医療提供体制の集約と均てん化に引き続き小児がんやAYA世代のがん対策について触れられている。また、当院は全国でも診療実績数が多く、均てん化と集約化に成功しており、それを支える人的資源も小児血液がん専門医5名、日本血液学会専門医9名等整備している。
 小児がん拠点病院事業においては、カテゴリーの変更があった。これまでは小児がん拠点病院を中心に患者さんの集約化を目指す計画が、実際には病床数や労働時間の問題で難しいとされ、最新の計画では小児がん拠点病院と準拠点病院にあたるカテゴリー1の中から症例の多い連携施設を1-Aに指定し、連携施設1-Aと小児がん拠点病院で全体の70%の患者をカバーするという目標に軌道修正されている。そのうえで、今年度新たに県立はりま姫路総合医療センターに類型カテゴリー3ということで連携病院に入れて県内の11施設と一緒に連携します。兵庫県立尼崎総合医療センターと神戸大学医学部附属病院を連携施設1-Aとし、県内の小児がん診療を支えていくように進めているが、このようにカテゴリー分類をすると、全国では小児がん拠点病院も連携施設1-Aも存在しない小児がんの医療提供体制が不十分な施設があることをどのように事業全体で克服するか、現在議論されている。当院はそのような医療提供体制が不十分な施設と比較的広域に連携して救急集中治療を含むあらゆる小児がんに対して対応可能な体制を組むように努力をしている。例えば当院の特徴である小児陽子線治療は隣接する神戸陽子線センターと連携して全国から2017年から2022年で270人余りの患者を受け入れている。紹介元は兵庫県・近畿圏以外のかなり広域から患者を預かっている。一方、人材育成の点で、地域によっては小児がんの指導医が不在の施設があるので、いくつかの施設と研修施設群を構成して人材育成に取り組んでいる。
 今年度新たな治療として「CAR-T細胞療法」の導入を神戸市立医療センター中央市民病院の協力を頂いて進めている。CAR-T細胞療法は一昨年の12月に施設承認を得て昨年度は3例の症例を行い、規格外のCAR-Tに関しても治験を行うなど、精力的にこの領域について進めていきたいと考えている。CAR-T細胞療法については、県内に対応できる施設がなかったので、県内の患者が京都、大阪など他府県に流れている現状があったが、小児に関しては当院で対応できるようになったことを承知いただきたい。また、ゲノム医療に関しては、日本全体で整備を進めるという流れがあって、これまでのがん遺伝子パネル検査に加えて、小児がんの治療に特化したTOP2というパネルの開発が進んでいる。全国小児がん研究グループのJCCG-TOP2という臨床研究で小児がんの治療に有用な遺伝子を含んだパネルTOP2の実行可能性の検証が行われた。小児領域では診断の精度を上げるために中央病理診断が提供されていたが、これとがん遺伝子パネルを合わせることで実行可能性が検証され、ジェンマイントップという新たなサービスが提供できるようになる。JCCG-TOP2で検出されたゼロミックファンディングには小児がんに特化した遺伝子が多数掲載されているので、十分意義があると評価された。小児がんにおけるがんゲノム医療の展開が少し進み、これまで採血管の問題で小児適用がないとのジレンマがあったが、小児に対する適用が拡大され、ジェンマイントップという小児がんに特化したパネルが提供されるようになった。
 人材育成として、国立がん研究センターをハブに全国の小児がん拠点病院が治験やCRCなどの育成に参加する機会を与えられ、院内で候補者を募っている。療養環境については、全国に先駆けて「きょうだい支援」を進め、院内の保育所で兄弟を預かるサービスで高く評価されている。ICTを活用した遠隔授業も県教育委員会の指導のもと進めている。小児がんサバイバーが増えてきており、神戸大学医学部附属病院の中の移行期医療センターと連携しながらサバイバーの適切なフォローアップに努めたい。

(7)その他 (資料7/PDF: 141KB

①兵庫県内のがんゲノム医療の推進について
 資料は昨年11月初旬に国指定の拠点病院の院長あて既に送らせて頂いた。がんの治療はこれまでの外科、内科、放射線科の三本柱に加えて、がんゲノム医療が第4の柱のような形で上がってきた。これは「がん対策推進計画」にも明記されていたが、治験、臨床研究の推進ということで、国も県も治験臨床研究を推進していく方針を打ち出している。これに関連して、治験については全国いろいろな施設で取り組んでおり、国立がん研究センターでは全国の情報を収集して、どこでどんな治験が行われているか分かるようホームページを整備し、オンライン治験という簡素な治験のやり方が確立しつつあり、その方向で動いている。
 令和4年8月に「がんゲノム医療の中核拠点病院等の整備指針」が改定になって、ゲノム医療連携病院については治験を行っているという縛りがなくなったことで、国指定のがん診療連携拠点病院は、ゲノム医療の連携病院になりやすくなったということになる。今までは、患者さんがどこでどんな治験を行っているか、例えば国立がん研究センターで行っているから東京まで行って治験を受けていたが、県内でゲノム医療を受けることができる時代になる。そのためにも国指定のがん診療連携拠点病院は、ゲノム医療の連携病院、拠点病院、中核拠点病院を目指して頂きたい。当然、人件費を含めた予算が付かなければマンパワーの整備が必要であることは承知しているが、兵庫県内で連携病院は拠点病院に、拠点病院は中核拠点病院に紐づいていければと思っているので、協力をお願いしたい。

②抗がん剤手帳について
 この件については、当院の循環器科から二次発癌であったり、或いはAYA世代が後年になって別の癌になったりすることで、アンソロサクソン系の薬剤の蓄積性によって、10年、20年経過して別の抗がん剤を使う時に蓄積量が分からないとか、薬剤だけでなく放射線をあてた時に、心不全がかなり出てくることがあるとの意見がある。マイナンバーがあれば解決するかもしれないが、以前にどういった癌の治療が行われていたかというデータが分からないと非常にリスクが高いということであった。このような問題をどう解決するかを当協議会で何かできないか考えていただきたいという提言です。次年度の協議会でどうするか考えていただきたい。

〇意見

 ・ゲノム医療の推進に係る案件ですが、このゲノム医療体制については、兵庫県はゲノム医療ができる病院が瀬戸側に集まっている状況にあるため、少し連携強化の必要がある。また、連携病院になるには国指定の拠点病院すなわちこの協議会の中で連携体制をとっていくことが、やはり県としても望ましいと思うので、是非この協議会の中でがんゲノム医療体制、特に連携病院になれる病院は目指していただきたい。その体制づくりに一般的に問題になるのは遺伝カウンセラーとかを整備しないため、人員配置に経費が絡んでくる。県立病院は県に働きかけて頂きたい。

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