兵庫県がん診療連携協議会
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第16回 兵庫県がん診療連携協議会 議事録  令和3年4月15日(木)Web開催

第16回兵庫県がん診療連携協議会(以下、協議会)が令和3年4月15日(木)にWebにより開催された。兵庫県内のがん診療連携拠点病院18病院の代表者と関係団体等9団体の代表者が出席した。

(1)前回幹事会議事録の確認(

 今年2月4日開催の第2回幹事会の議事録は、協議会のHPに掲載されている。今回も、議事録はHPに掲載を予定しているので了承願いたい。

(2)がん対策について(県疾病対策課) (資料2/PDF: 160KB

①兵庫県内のがん診療連携拠点病院の指定状況等
 令和3年4月1日現在の状況は、神戸医療圏で神鋼記念病院が、阪神南医療圏で兵庫県立尼崎総合医療センターが昨年の県指定から国指定に変更となった。したがって、国指定病院が16病院から18病院に、県指定病院が9病院から7病院に変更となったが、指定病院の総数では46病院で変わらない。
 また、近畿ブロック小児がん連携病院では、兵庫医科大学病院が類型Ⅰの「地域の小児がん診療を行う連携病院」から、類型Ⅲの「小児がん患者等の長期の診療体制の強化のための連携病院」に変更になっている。

②令和3年度当初予算について
 がん対策の令和3年度予算は、「推進体制の整備」「がん予防の推進」「早期発見の推進」「医療体制の充実」「がん患者を支える社会の構築」の5つの大きな柱に基づき推進することとし、その中の今年度の新規・拡充予算について説明があった。
 拡充事業では、個別がん対策の推進として「肝がん・重度肝硬変患者医療費の助成促進」「若年がん患者等妊孕性温存治療費助成事業」の説明があり、小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業については、資料に基づき具体的な説明があった。また、医療体制の強化として「がん診療連携拠点病院の機能強化」「県指定がん診療連携拠点病院支援事業」、がん患者の療養生活の質の維持向上として、「在宅歯科医療推進事業」「在宅看護体制機能強化事業」の説明があった。
 新規事業では、「がん患者アピアランスサポート事業」を立ち上げるとし、資料に基づき事業の具体的な説明があった。
 3年度の予算規模としては、14億6,200万円と昨年度より2,600万円程度増額され、がん対策を推進していくとの報告があった。

〇質問・意見

 個別がん対策の推進事業で、かなり肝臓の疾患、肝がんに偏った予算が計上されているのではないか。
 策定された時の理由または経緯があれば説明いただきたい。

 ・肝がんの拡充は、国の補助金の要綱が変わり、国の事業に追随して計上した。国の補助金を使って事業を推進していくということである。

 ・もとは、B型肝炎、C型肝炎を撲滅していくという肝炎対策から始まった事業で、それが肝がん対策になったと考えられる。

 ・妊孕性温存療法研究促進事業では、男性の精子凍結に係る治療に対しても認められている。

(3)会則及び幹事会運営要領の改正について(協議会事務局)
  (資料3/PDF: 170KB

 今回の会則及び幹事会運営要領の改正は、県指定であった「兵庫県立尼崎総合医療センター」と「社会医療法人神鋼記念会 神鋼記念病院」が令和3年4月1日をもって国指定となったことに伴う改正で、会則の別表にこれら2病院を加え、幹事会運営要領の別表1の県指定病院から2病院を削除し、会則、運営要領は、本日4月15日から施行との説明があった。

※兵庫県がん診療連携協議会の組織体制と幹事・部会員一覧について(議長)

 協議会の組織体制は、添付のとおりである。幹事・部会員は、運営要領の第3条に各病院長から推薦された幹事及び部会長からの推薦された者を議長が委員に指名することとなっていて、今年度も一覧表に取りまとめる予定である。添付している一覧表は令和3年4月7日現在のもので、各施設には4月16日までに回答をお願いしているので、適時変更をしていく。

(4)協議会・幹事会並びに各部会の令和2年度活動報告及び令和3年度活動計画 
資料4/PDF: 110KB

①「協議会・幹事会」関連
 令和2年度は、4月9日協議会、6月4日第1回幹事会は、新型コロナウイルスの影響を受け資料配布とした。第2回幹事会は今年2月4日にWebで開催した。第10回「ひょうご県民がんフォーラム」は、『ここまで来た最新の肺がん治療~ロボット手術と免疫複合治療~』をテーマに10月24日(土)に関西労災病院が担当してWebで開催された。
 令和3年度は、4月15日に協議会、6月10日に第1回幹事会、第2回幹事会は、令和4年2月17日に開催を予定している。第11回「ひょうご県民がんフォーラム」は10月23日に「けんみんホール」で開催を予定しており、兵庫県立こども病院が担当し、テーマは「小児とAYA世代のがん(仮)」との報告があった。

②「研修・教育」部会関連
 令和2年度は新型コロナウイルスの影響で、いずれもハイブリッド又はWebのみで開催した。「がん看護コアナース育成セミナー」は中止、「兵庫県がん化学療法チーム医療研修会」はWeb開催、「研修・教育部会セミナー」はハイブリッドで開催(テーマ:がん医療におけるAI)、「放射線セミナー」もハイブリット(テーマ:食道がんの診断と治療update)、「検査セミナー」は、ハイブリッド(テーマ:がん診療における循環器合併症)。「薬剤師セミナー」は2月12日からオンディマンド配信(テーマ:高齢者に対するがん化学療法)で開催。第10回「ひょうご県民がんフォーラム」は関西労災病院の担当で開催し、対象者が一般市民ということでYouTube配信とした。テーマは、「ここまで来た最新の肺がん治療~ロボット手術と免疫複合治療~」
 令和3年度はいずれも詳細は未定である。参集が可能であればハイブリッド、不可能であればWebのみになる。ちなみに「研修・教育部会セミナー」は10月9日、「ひょうご県民がんフォーラム」は10月23日に兵庫県立こども病院が担当し、テーマは「小児とAYA世代のがん(仮)」となると報告があった。

③「情報・連携」部会関係
 部会の課題は、①がん相談支援 ②就労支援 ③ピアサポーターの体制づくり ④がん相談支援の質向上を推進する人材育成の4つの柱を立てて、それぞれの行動計画に基づいて実行している。がん相談支援の質の向上については勉強会を4回開催し、様々な課題について話し合って質の向上を図っている。部会は議事録のとおり確実に、誠実に活動している。2年度の目標達成状況はPDCAサイクルのとおりで、今一つといったところである。この状況の変化に、完全にはついていけなかった。
 令和3年度の計画は、4つの課題を立て、細かく目標を立てている。令和3年度はフルWebで開催する予定である。具体的には、PDCAサイクル活動計画に準じて活動を予定している。

④「がん登録」部会関連
 昨年度、がん登録部会は新型コロナウイルスの影響によって開催中止とした。院内がん登録実務者ミーティングは、令和3年2月2日、テーマを2018年登録数と治療別集計としWeb開催した。各病院に承認して頂いた公表案は、既に兵庫県がん診療連携協議会のホームページで公表している。36病院、65名の参加があった。
都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会(以下「連絡協議会」)がん登録部会は、6月16日にWebで開催された。また、国立がん研修センターから講師を招いて開催していた「全国がん登録実務者研修会」は新型コロナウイルス感染症流行下ということで中止した。
 令和3年度はWeb会議での開催等を含め、昨年開催できなかった会議、研修会も開催したい。

⑤「緩和ケア」部会関連
 新型コロナウイルス感染症流行下における緩和ケア研修会について、厚労省からの「拠点病院等の指定要件の留意事項」では、ロールプレイングのWeb実施と令和3年度の現況報告における指定要件の該当期間について記載されている。
 内容は、ロールプレイングを実施したかどうかに関わらず、現行の緩和ケア研修会の開催指針に準拠する形でWeb等にて代替した研修会の開催は、指定要件を充足したとみなす。
ただし、緩和ケア研修の修了扱いについては、ロールプレイングを集合研修で行った場合のみとする。また、令和3年度の現況報告においては、指定要件の該当期間は令和2年1月から令和3年12月の2年間とするとの説明があった。

※コロナ下での緩和ケア研修開催について日本緩和医療学会理事長から下記の通り情報提供があった。

 緩和ケア研修のロールプレイングをWeb開催で実施することについて、患者会と厚労省の納得が得られたので、緩和ケア研修会はフルWebで実施可能とい方向で進められている。したがって、Webで緩和ケア研修会を修了する方向で計画頂いてよいのではと考える。

 連絡協議会緩和ケア部会で、他府県では緩和ケアの質向上のため、施設間で評価するオンラインピアレビューの実施の報告があったが、兵庫県では緩和ケアチーム間で行っている。
 昨年度の緩和ケア研修会は、県内の26施設で予定し4施設で中止した。緩和ケア研修の指導者の会は例年1回のところ2回開催し、コロナ下での感染対策等を協議した。緊急事態宣言が発出されたら緩和ケア研修の完全Web開催を検討していく。まん延防止等重点措置の場合は県と相談して個別に開催という結論だった。
 緩和ケアチーム研修会は関西労災病院が担当、28施設の参加があった。緩和ケアフォローアップ研修は、3月7日にコミュニケーションをテーマに開催し、30名の参加であった。
 Web退院前カンファレンス推進会議は診療報酬の改正があり、これについて緩和ケア部会内で2回検討を行った。神戸市医師会地域包括ケア委員会とも共同して手引書を作成している。将来は緩和ケア部会と地域連携部会と合同でWeb退院前カンファレンス導入のためのセミナーを考えている。
 また、緩和ケアチームのピアレビューモデルの作成も考えているとの説明があった。

⑥「地域連携」部会関連
 がんパスの使用状況について、アンケート結果から延べ20,860件の利用報告があった。大腸がんESD パスについては大きな問題点は上がっていない。問題点として、既存の連携ノートの内容が、がんの取扱い規約が更新された場合、内容をどうするかという意見があったが、各施設で対応ということになった。
 令和3年度は、引き続き使用状況を確認させていただくが、使用施設が固定しつつあるので、活性化について考えている。新規パスについても引き続き問題点を抽出していきたい。がん地域連携については、パスの5年目以降について十分議論されていないが、コロナ下においては検討が難しい。がんのゲノム医療に関しては、主たる病院以外は情報が乏しいので情報を共有したい。がん地域連携におけるリモートワークについては、退院前カンファレンスだけではないと思うが、先行して緩和ケア部会で検討されているので、相乗りということで進めていきたいと説明があった。

〇確認・要望

 Webによるピアサポート研修、フォローアップ研修の開催計画等の情報提供について(がん患者連絡会)

 ・ピアサポート研修、フォローアップ研修のWeb開催は計画されている。(情報提供します。)

 ・緩和ケア研修は、Webでのロールプレイングが承認され、開催期間も令和2年1月から令和3年12月まで期間が延長されるようなので、各施設でWebを活用願いたい。

(5)兵庫県がん・生殖医療ネットワークの運営状況について(兵庫医科大学病院)
資料5/PDF: 1,164KB

  資料に基づき①妊孕性温存の種類、胚凍結(受精卵)、卵子凍結(未受精卵)、卵巣凍結の違い、②日本の生殖医療の経緯、③兵庫県がん・生殖医療ネットワーク関連施設、④生殖医療受入施設、⑤がん患者の妊孕性温存治療の流れ、⑥男性がん患者に対する妊孕性温存、⑦ネットワークの利用方法、⑧妊孕性温存実施周期数の推移などについて説明があった。

(6)がん患者医科歯科連携協定について  (資料6/PDF: 105KB

  令和2年度は、新型コロナウイルスの影響で兵庫県歯科医師会として事業を進めることは困難であった。ただ、各診療所においては、手術前のがん患者の口腔審査・チェックは、患者主治医、スタッフの指導もあって、多くの患者さんが受診するようになった。
 令和3年度は、国立がん研究センターと日本歯科医師会が作成した「がん医科歯科連携講習会」のDVDが改訂された。新型コロナウイルスの影響で集まって受講できないので、国立がん研究センターのホームページから受講するようになる。
 また、各施設に渡している協力歯科医院のリストが古くなってきているので、改定して新しいリストを渡したい。

(7)小児がんの進捗状況について(兵庫県立こども病院)  (資料7/PDF: 2,291KB

  小児がん拠点病院は、7年前に全国で15病院指定され、近畿ブロックでは4病院、兵庫県では当院が指定されて、中国・四国ブロックの拠点病院とも連携している。令和2年度の研修教育活動の多くが、新型コロナウイルスのため中止した。「看護研修会」は3回予定していたが、1回目は中止、2回目は会場とWebのハイブリッドで開催し36名参加があったが、他府県からの参加が見込めなかったので3回目は中止した。
 情報連携では、妊孕性温存は昨年度、卵巣保存は5例(兵庫医大病院依頼)、精子保存は1例、精巣組織保存は2例であった。
 診療連携では、兵庫県小児がん連携病院としてカテゴリー1(小児がん拠点病院に準ずる病院)に神戸大学医学部附属病院、県立尼崎総合医療センターを、カテゴリー2(特定のがん治療を行う)に県立がんセンター、神戸陽子線センターを、カテゴリ―3(長期の診療を行う)に兵庫医科大学病院、神戸市立西神戸医療センター、明石市立市民病院、加古川中央市民病院、北播磨総合医療センター、姫路赤十字病院を指名した。
 また、小児科から成人診療科への円滑な移行体制として座談会を開催したが、コロナウイルスのため規模を縮小した。
 その他、兵庫県における移行医療支援体制(移行期医療支援センター)の構築、AYA世代のがん患者の補助支援(妊孕性温存治療費の助成等)、神戸陽子線センターにおける小児例の陽子線治療実績、高校生の入院生徒に対する教育支援などについて説明があった。
 令和3年度は、前年度の事業継続に加え、小児がんのがんゲノム連携病院としての診療体制についても推進していきたい。

〇閉会にあたって、お願いとお詫び(議長)

 ・第1回、第2回幹事会をそれぞれ6月10日、2月17日に予定しているので、各施設の幹事及び関係者の方の出席をお願いしたい。

 ・がんセンターで新型コロナウイルスの陽性患者が発生し、初診の紹介患者受け入れを一旦中止した。各医療機関へご迷惑をおかけするが、よろしくお願いしたい。

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