第1回幹事会(以下、幹事会)が平成29年6月15日に兵庫県私学会館で開催された。兵庫県内のがん診療連携拠点病院47病院の代表者と関係5団体の代表者が参加した。
第1回幹事会(以下、幹事会)が平成29年6月15日に兵庫県私学会館で開催された。兵庫県内のがん診療連携拠点病院47病院の代表者と関係5団体の代表者が参加した。
①兵庫県内のがん診療連携拠点病院等の指定状況
国指定(14)・県指定(9)・準じる病院(23)合計46病院。西神戸医療センターは、地方独立行政法人神戸市民病院機構が開設者となり、「市立病院」として運営されることとなった。また、加古川西市民病院は加古川東市民病院と統合し、加古川中央市民病院として運営されることとなった。これらの病院の他に小児がん拠点病院として県立こども病院が国指定を受けている。(H29.4.20時点)
②協議会会則、幹事会運営要領の改正について
・上記①の病院名称変更に伴い、兵庫県がん診療連携協議会会則及び兵庫県がん診療連携協議会幹事会運営要領が改正され、平成29年4月20日より施行された。
・地域医療との連携強化を図るため、『がん地域連携パス部会』の名称を『地域連携部会』に変更することが協議会で承認され、幹事会運営要領も平成29年4月20日付で施行された。
・事務局より、幹事会運営要領にある各部会の担当業務につき実際との状況に違いが生じている件について、各部会において次回の幹事会までに協議を依頼した。
③がん対策基本法の改正
・目的規定に、がん患者が状況に応じて必要な支援を受けられるようにすることが課題となっていることが追加された。
・基本理念に、
がん患者が福祉的支援、教育的支援その他の必要な支援を受けられるようにすること。
がん患者が円滑な社会生活を営むことができる社会環境の整備が図られること。
がん対策が行政、事業主、学校、民間団体などとの密接な連携の下に実施されること。
などが追加された。
・事業主の責務が新設され、がん患者の雇用の継続等への配慮、がん対策への協力が明記された。
など、平成28年12月にがん対策基本法の一部が改正された。
④がん診療連携拠点病院・小児がん拠点病院のあり方に関する検討
小児がん拠点病院の指定更新は4年ごととなっていたが、がん拠点病院の改正時期と合わせるため、今回の小児がん拠点病院指定の有効期限が平成31年3月までとされた。
⑤平成29年度兵庫県がん対策予算について
インターフェロン等医療費助成の前年比減はインターフェロンフリー治療の見込人数が減数になったことによる減額である。
①「協議会・幹事会」関連
28年度は協議会を昨年4月に、幹事会を昨年6月と29年2月に2回開催した。また第6回ひょうご県民がんフォーラムを11月に開催した。
29年度は協議会を4月20日に開催、幹事会を本日と、11月18日に第7回ひょうご県民がんフォーラムを開催予定。
②「研修・教育」部会関連
28年度はがん看護実務研修、第2回兵庫県がん化学療法チーム医療研修会を開催した。各種セミナーでは、肝がんセミナー、放射線セミナー、検査セミナー、薬剤師セミナーを行った。今年度もがん看護実務研修を5月30日~9月8日、第3回がん化学療法チーム医療研修会を9月23日に開催予定。各種セミナーは、
外来化学療法セミナー 平成29年10月7日 「外来化学療法室 設置開始10年を越えて(仮)」
放射線セミナー 平成29年11月25日 「テーマ:前立腺(予定)」
検査セミナー 平成30年1月13日 「テーマ:未定」
薬剤師セミナー 平成30年1月20日 「テーマ:未定」として開催予定。
③ 「情報・連携」部会関連
28年度は実務者ミーティングを例年どおり4回開催し、各施設のPDCAの内容の共有、認定がん専門相談員の研修や患者会との交流会を行った。また実務者ミーティング事務局会議を3回実施した。今年度もがん患者の就労支援の体制づくりとして、社労士・ハローワーク・産業保健総合支援センターと連携・情報を共有していく予定。また前年度同様、ピアサポーター養成事業を開催していく。情報・連携部会に関して、実務者が部会員になるよう統一を図っていく。
④「がん登録」部会関連
28年度はがん登録実務者ミーティングを年3回開催した。都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会がん登録部会に参加した。また全国がん登録実務者研修会を開催した。今年度もがん登録実務者ミーティングを年3回開催し、全国がん登録に関する研修会等を開催する予定である。今後も、県民に対し個人情報に留意しながら情報の見える化を進めていく。
⑤「緩和ケア」部会関連
28年度は緩和ケア部会のコアメンバーを選出し、緩和ケアチームの意見交換の場としてメーリングリストを開設した。また、地域の緩和ケアの質の向上のために多職種をまとめていく地域緩和ケア連携調整員研修が行われた。緩和ケア研修会の受講率90%達成が課題となっているので、今年度も推進に努める。(29年3月末時点で修了者 4,027名)。
⑥「地域連携部会」関連
昨年度は5大がんのパスを見直し、幹事会・協議会で承認された後協議会のHPに掲載した。また、大腸がんESDパスを作成した。本年度から部会の名称を地域連携部会に変更し、パスだけではなく地域医療の連携強化を図る。肺がんパスのイレッサ・タルセバに関しては継続審議、ESDパスは運用を検討していく。
28年度の地域連携パスアンケート集計結果は、47病院中6病院にて5大がんすべてのパスが稼働中、27病院が1種類以上のパスが稼働中となっている。(その他、アンケートの詳細はこちら→H28年度がんパスアンケート結果報告
①
②)
以上の平成28年度活動報告及び平成29年度活動計画は、すべて協議会で承認された。
がん患者への医科歯科連携の取り組みが、DVD講習や連絡協議会の開催などを通じて強化を図っている。今後、がん患者医科歯科連携の実情を調査するアンケートを実施予定。
28年度は看護部主催の医療従事者すべてを対象とした研修会を行った。就学中のがん患者の学習支援として、教員派遣や通信制、ボランティアやインターネット授業などを取り入れ多角的に取り組んでいる。また、AYA世代の女性がん患者に対する卵巣組織保存等の取り組みも行っている。
この計画はH25年4月に5年計画として作成されたもので、5年目を迎え今年見直す年になっている。意見・要望などいろいろ出していただきたい。早期発見の対策として2年連続で受診率が下がってきている市町村に対し受診率向上に向けた取組を促していく。また専門医など人材の確保が重要である。教育などに力を入れ、人材を各拠点に配置できるよう進めていく。今後の課題として、緩和ケアを最終的に地域のかかりつけ医への取り組みへと掘り下げていく。またがん教育としてがんに対する差別や人権に対する取り組みを進める。がん患者の治療と職業生活の両立支援として、まず離職防止を進めていく。
以上