市立伊丹病院:生存確認調査について。実際、生存を確認するにあたって本人さんへの同意書の取り扱い。予後調査、法整備の結果様々な情報が返ってくると思われるが、どれぐらいの状況でその情報の提供が受けられるのか。
味木部会長:国の拠点病院については国立がんセンターが予後調査の支援事業というのを行っている。
一括して全国の市町村役場に住民票の照会ということで調査をかけている。照会について有償での情報提供の自治体の場合は、国立がんセンターが立て替え払いをしている。そのあと、調査を依頼した医療機関が支払う。
法律ができると全病院に届出義務が生じその情報を国立がんセンターが全国の死亡情報(人口動態)と照らし合わせを行ってそこで死亡が確認できた情報は届出医療機関に還元できる。
予後調査の同意書については、院内がん登録をして予後調査を実施しているということを患者さんの目に付くところに周知徹底をしているという広報をして確認をしてもらう等。各施設で取り扱い方法は様々あるといえる。
がんセンター同意について。HPや院内掲示で確認いただいて同意を得る。地域によっては戸籍抄本まで遡って同意を得るというもある。
味木部会長:戸籍抄本を使っての確認はだんだんむずかしくなってきており、生存確認について住民票での照会というのが基本的な方法ということになっている。
質問者:院内がん登録の情報。院内掲示の具体的な実施方法。規模、件数。
赤穂市民病院:がんの現況報告をHPに掲載。院内掲示については持ち帰り用のパンフレット形式にせずに掲示にする。掲示内容としては男女別等、治療内容までは出していないが件数等の内訳が主である。
関西労災病院:がん診療を行っている患者さんに要追跡調査同意書をとっている。患者さんが拒否された場合の取り決めはない。院内でわかる生存確認調査は毎年1回は行っているが、もう少し正確な予後情報は知ることはできないかと先生方からの依頼はある。これからは患者さんおひとりずつに手紙かハガキを書いていくという事で話は進んでいるがマンパワー不足で進め方を協議中。患者さん全体に対してHPと院内掲示をしてお知らせしている。
味木部会長:日本でがん拠点病院の指定を行うことになったのはアメリカにならってのこと。このアメリカでの院内がん登録を実施している目的の一つは患者さんに定期的にコンタクトをとることで適切なメディカルフォローアップを促すということで院内がん登録を実施している。
姫路医療センター:院内掲示は院内がん登録を行っているという事と研究に使われることがあるということ。同意書に関しては特に「がんの」ということではなく包括同意で運用している。
予後調査は3ステップ。国がんの予後調査の参加、紹介病院さんに対する照会、患者様の3ステップ。
がんセンター:予後調査。地域連携室での院内調査。役場から5年と10年で必ず情報を頂く。役場での確認は確かであるが原病死が「がん死」かどうかわからない。
味木部会長:がんセンターは全がん協に参加している施設である。独自に住民票などを調査する体制が整っている。死因につきましては死亡情報について法施行後は死亡日と死因に関する情報を提供される見込みではないか。と、言われている。
兵庫医科大:不明の所を「死」として住民票から見ていく。包括同意だけでいけているのか。
味木部会長:住民票照会をすることについて特別な同意をとるというのはない。院内がん登録の実施の一環としてとらえている所が多い。
兵庫医大:集計結果について国立がんセンターが拠点病院の施設別データというのを公開している。
比較検討ができるので集計結果の公表はいいのではないか。