兵庫県がん診療連携協議会
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令和4年度 第2回 兵庫県がん診療連携協議会幹事会 議事録 令和5年2月9日(木)Web開催

 第2回幹事会が令和5年2月9日(木)にWebにより開催され、兵庫県内の地域がん診療連携拠点病院等45病院及び関係病院等2施設・2団体の代表者が参加した。
 ※ 幹事、事務担当者等、代理を含め98名が出席 (欠席施設等:2施設、1団体)

(1)前回幹事会及び協議会議事録の確認

 昨年6月16日開催の第1回幹事会議事録は、本協議会のホームページに掲載されているので、内容の確認をしていただきたい。

(2)がん対策について (資料2/PDF: 2,762KB

①がん診療連携拠点病院(国、県)指定要件の見直しについて
 令和4年8月に国の拠点病院に係る整備指針が改定され、指定要件が見直された。
 見直しのあった主な内容として、1点目が「都道府県がん診療連携協議会の機能強化」である。都道府県協議会が役割を果たすためには拠点病院の協力が不可欠であり、本県の場合は積極的に参加頂きうまく運営できているが、全国的には十分に機能していない都道府県もあるので、協議会への積極的な参画を求めることが項目として新設された。
 2点目として「診療従事者に関する人員要件の見直し」である。放射線医と病理医については、専任の常勤放射線診断医が1名以上、専従の常勤放射線治療医が1名以上、専従の常勤病理医1名以上、ただし医師数が少ない医療圏においては、原則常勤医1名以上となっていたが、「原則」がとれて全ての医療圏において常勤の放射線治療医・診断医、常勤の病理医1名以上の配置が必要となったが、これは前回の整備指針で2022年3月に廃止すると明記されていた。また、「放射線治療に携わる者の配置要件の厳格化」については、これまで放射線技師の常勤1名以上、2名以上が望ましいとなっていたが、今回、常勤2名以上が「望ましい(*)」となった。この「(*)」は次の指定要件改定時に必須とすることになるので、予め準備を整えておいてほしいという趣旨で今回規定が盛り込まれた。
 3点目に「がん診療連携拠点病院(高度型)」という指定類型が、今回廃止となった。高度型は同一の医療圏に複数の拠点病院が整備されている場合、患者、医療関係者が施設を選択する際の目安とされて、平成30年の改定で導入されたが、高度型の定義が不明確であったり、高度型を積極的に推薦する、しないに地域差が生じ、患者への印象と実態が異なっているとの指摘があったため見直され、各拠点病院間の役割分担の整理、情報開示等で対応できると判断された。また、高度型拠点病院は全国で55施設、本県でも4施設指定されたが、今年3月で廃止される。
 4点目に「その他」として、1つは「BCP(事業継続計画)の策定」である。これも「望ましい(*)」要件として追加された。自然災害や感染症等が発生した場合の業務が継続できる方策を予め策定しておくことが次回の改定で要件として加わるので、まだ策定されていない施設は準備をお願いしたい。他に医療安全の取り組みで、これまで望ましい要件とされていた「第三者評価」が義務付けられた。日本医療機能評価機構、ISO、JCI認証が第三者に想定され、保健所立入検査、医療機関の相互評価は対象にならない。それ以外に一般的に取組が浸透している項目、例えば敷地内禁煙、放射線機器リニアックの設置、集中治療室の設置、がん相談支援センターの業務内容の例示など削除されたとしても診療の質が維持できる項目が削除されている。追加項目では疼痛緩和のための専門的治療の提供体制の整備、患者サロンの設置、ピアサポーターの活用に努めるなどがある。
 国の指定要件の見直しを踏まえて、兵庫県指定がん診療連携拠点病院設置要綱についても、昨年9月に専門委員会の意見を諮って国に準じて見直しを行った。その主な内容は、国の整備指針に変更がないため引き続き維持する項目として、薬物療法、精神症状の緩和に携わる医師の「常勤」要件と診療実績は変更しないこととした。国の整備指針は変更されたが変更しなかった項目として、放射線医、病理医の配置条件をこれまでどおり「原則」常勤とした。国の整備指針の変更に合わせて変更した項目として、放射線治療に携わる精度管理の技術者等を専任から専従に、看護師の放射線治療室の配置要件を専任から専従に変更し、第三者評価の義務化も国に合わせた。また、国の整備指針に規定はなく、県独自に新設する項目として、国指定の拠点病院が指定期間満了後に県指定を受ける場合、指定要件を満たさない項目があっても2年間は要件を満たしているものとみなすことや新型コロナウイルス感染拡大の影響等により指定要件を満たさない場合、専門委員会の意見を踏まえてその状況が拠点病院の責めに帰すべき理由によらない時は、必要な期間延長できることとした。
 指定の更新手続きについては、来年度から新たに指定が始まるが、指定期間は通常4年間、令和8年度までとなる。2年間の経過措置をした場合は6年度までで、通常は指定がそこから4年間になる。令和6、7年度から新たに指定になった場合も通常はその時から4年間となり、終期が病院によってバラバラになるため、管理が難しいので終期を令和8年度に全病院合わすことにした。
 がん診療連携拠点病院等の国の検討会はこれまでは3月に行われていたが、今回は1月に行われ、その結果が公表されたのでお伝えする。その中で北播磨圏域の西脇市立西脇病院の国指定は令和5年3月までで、代わって4月から北播磨総合医療センターが国指定の拠点病院となる。県立丹波医療センターは、9月時点の現況報告において充足状況が不十分だったため経過措置として指定期間1年の特例型の地域がん診療連携拠点病院ということになった。現在、西播磨圏域の拠点病院である赤穂市民病院は、5年度からは地域がん診療病院として4年間ということになっている。この地域がん診療病院は平成26年に指針が見直された時の指定類型で、二次医療圏に空白地帯を無くするという趣旨で、拠点病院並みの整備要件を満たさなくてもそれなりの専門的ながん診療が行える病院という事で設けられたが、隣接拠点病院と連携してグループを組むことが条件になるので、加古川中央市民病院と連携することで認められた。今後のスケジュールは、国指定、県指定いずれも3月下旬に指定書を発出、4月1日からの指定となる。

②令和5年度がん対策予算案の概要について
 令和5年度の国のがん対策予算案は、昨年度とほぼ同額の357億円、その中で新規事業として2つ予定されている。1つは、がん予防で「がん検診の受診勧奨策等実施支援事業」、2つ目は、がんとの共生で「アピアランス支援モデル事業」である。
 がん検診の受診勧奨策等実施支援事業は、がん検診の受診率について50%の目標を掲げていたが、男性の肺がん検診を除いて達成されていない。こうした状況を踏まえて、令和2~4年度にかけて受診率向上のための受診勧奨策が国で検討された。その向上策を令和5年度に市・町で実施しようというものであり、対象が市・町のため医療機関には直接関係はない内容となっている。
 アピアランス支援モデル事業は、実施主体はがん診療を行う医療機関で、内容はアピアランスケアを求めるがん患者さんに医療機関がアピアランスに関する情報提供、相談支援を行って、その支援データを厚生労働省の研究班と共有し、研究班でデータ解析を行ったうえで効果的な取り組みを全国展開しようとするものである。実施主体が国指定の拠点病院であるが、アピアランスケアに関する研修を受講している医療従事者を確保していること、或いは個別に対応整備されていることが条件になる。全国で10施設程と聞いている。この事業の詳しい内容については、対象医療機関に通知させていただいている。応募期間は3月3日までに国に提出することになるので、疾病対策課には2月27日必着でお願いする。

〇報 告

 令和4年度がん診療連携拠点病院等PDCAサイクルフォーラムに出席して

  今回の整備指針の改定は、がん診療連携拠点病院に各圏域医療を牽引する自覚をもってもらい、そのことを院内に周知するという目的がある。指定要件が厳しくなったが、多職種によ る倫理委員会、がん相談支援センターの意識付けと人員配置、地域構想の中のケアマネージャー・社会福祉士、介護施設との連携強化などである。また希少がんとAYA世代のがん、ゲノム医療は、自施設でできない場合でも、できる病院と連携を強固にとることで、がん治療の均てん化と集約化を両立させていくことがこれから必要になるということだった。

〇質 問

 アピアランス支援モデル事業について

  対象となる施設には、連絡をしてもらっているか。

 (回答)

  今週に入って通知しているので、もう届くころと思われる。

(3)幹事会運営要領の改正について(資料3/PDF: 238KB

 今回の改正は、令和4年9月1日に「がん診療携拠点病院に準ずる病院」の市立川西病院は共立病院との統合により、川西市立総合医療センターとして開院されたことに伴う改正となる。改正内容は、第3条第1項第7号の別表2において、阪神圏域の市立川西病院を川西市立総合医療センターに改めるもの。附則には本日の第2回幹事会開催日の令和5年2月9日から施行としている。

(4)協議会・幹事会並びに各部会の令和4年度活動報告及び令和5年度活動計画について
資料4/PDF: 2,901KB

①「協議会・幹事会」関連
 令和4年度は、4月7日に第17回協議会、6月16日に第1回幹事会をWebで開催した。本日2月9日に第2回幹事会をWebで開催している。第12回ひょうご県民がんフォーラムは、姫路医療センターの担当で「肺がんと膵がんの最新医療について」をテーマに「けんみんホール」を会場にハイブリット方式で10月26日に開催した。
 令和5年度の活動計画は、第18回協議会は4月13日に、第1回幹事会は6月8日に開催を予定している。第2回幹事会の開催日等は今のところ未定で、開催方法はコロナの感染状況等をみて決める。第13回ひょうご県民フォーラムは10月21日に加古川市立中央病院の担当で「けんみんホール」で開催を予定。テーマ、開催方法はいずれも未定。

②「研修・教育」部会関連
 令和4年度の活動報告ですが、「がん看護コアナース育成セミナー」は3回、いずれもZoomで開催された。セミナーでは、「研修・教育部会セミナー」は10月8日に会場20名、Web 99名の参加で、県立西宮病院の福永先生のもとで「up to date遺伝性腫瘍」をテーマに開催された。「放射線セミナー」は、10月15日に会場66名、Web 193名の参加で「膵臓がんの診断と治療-update-」をテーマに開催された。「検査セミナー」は、11月5日、会場41名、Web 96名の参加で「オンコロジー・エマージェンシー」をテーマに開催された。「薬剤セミナー」は、1月21日に会場12名、Web 146名の参加で「消化器がん治療」をテーマに開催された。拠点病院を対象とする「第8回兵庫県がん化学療法宇チーム医療研修会」は、11月6日に6チーム25名のWeb参加で、「がん治療における妊孕性温存」をテーマにWeb開催された。「第12回ひょうご県民がんフォーラム」は、11月26日に会場71名、Web 92名の参加で「肺がんと膵がんの最新医療について」をテーマに姫路医療センターが担当病院で開催された。
 令和5年度活動計画は「がん看護コアナース育成セミナー」は8月に3日間の予定で開催。開催方法はWebでテーマは「がん患者さんが死にたいと言われたとき(仮)」です。「兵庫県がん化学療法チーム医療研修」はテーマが4年度と同一内容で、「がん治療における妊孕性温存」、開催方法、日程は未定。「研修・教育部会セミナー」は10月7日に開催予定。明石市立市民病院の阪倉先生のもとで、テーマは「がん医療におけるAIの新展開(仮)」で、開催方法などは未定。「放射線セミナー」は10月14日開催予定。テーマは肝臓がんに関するもので、詳細や開催方法もは未定。「検査セミナー」は12月1日開催予定。テーマ、開催方法は未定。「薬剤師セミナー」は、日程、テーマ、開催方法いずれも未定。「第13回ひょうご県民がんフォーラム」は10月21日、加古川中央市民病院の担当で開催。テーマ、開催方法は未定。

③「情報・連携」部会関係
 令和4年度活動報告は、部会を年4回、そのうち3回は終了している。内容は「早期就労」「アピアランス」「がんピアサポーター」です。これらはがん拠点病院の指定条件の重点項目になっている。これらの活動を円滑に実施するため、毎月事務局会議を開催し、その内容は資料に記載しているとおりである。
 令和5年度活動計画は、部会については重要項目となっている「就労支援」「相談支援」「ピアサポーターとの交流会」「PDCA評価」としているので、3月のPDCA評価をもとに来年度も同様に取組を進めたい。早期就労支援については、がん拠点病院に来る前に離職してしまっている人が多く早期の就労支援に繋がらないため、医療の入口になっている地域の医療機関や開業医に対して両立支援などの就労支援があることを知らせる必要がある。これについて、医師会の協力を得て広報を考えているので、依頼内容に対する出席者のご意見を頂きたい。 (県医師会長あて①患者さんに慌てて仕事を辞めない②病院で相談できることを開業医等に伝える依頼文に厚生労働省作成の治療と仕事の両立支援ポスターを添付)
※これに対し、幹事長から出席者へ「意見があれば今月中に神鋼記念病院 がん相談支援センターへ連絡するように」と伝えられた。
 ピアサポーター養成研修を継続しているが、受講したサポーターと患者が接触して、患者の深刻さに傷ついたり、患者とサポーターが合わないなどのケースがあった。サポーターと患者両方のフォローが必要な状況で、どのようにしてピアサポート事業を進めていくかについて重点課題としたい。また、新整備指針でさまざまな相談機能強化が盛り込まれているが、どのように対応するか、事例を共有しながら進めていきたい。

④「がん登録」部会関連
 令和4年度活動報告は、6月28日に部会を開催して院内登録の提出方法について議論した。内容は4月27日に開催された都道府県がん診療連携病院連絡協議会のがん登録部会での内容を情報共有した。院内がん登録実務者ミーティングは2回、いずれもWeb開催した。1回目は11月14日、膵臓・胆嚢・胆管の解剖について、国立がん研究センター江森氏に講演頂いた。2回目は2月3日、協議会HP公表予定のがん登録情報について協議した。公表は2020年症例の施設別、部位別がん登録件数・割合、施設別治療法の件数と割合を掲載する。全国がん登録実務者研修会は、国立がん研究センターの松田智広氏を講師に「全国がん登録の届出実務」を9月21日から10月31日まで動画配信した。
 令和5年度活動計画は、今年度とほぼ同様の内容で、開催時期はほとんど未定。部会の開催は、都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会のがん登録部会の開催時期にもよるが、6月開催を予定。院内がん登録実務者ミーティングも11月、2月開催を予定。国の連絡協議会がん登録部会への参加、全国がん登録に関する研修会の開催を予定しているが、いずれも開催時期は未定。

⑤「緩和ケア」部会関連
 令和4年度活動報告は、都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会 第10回緩和ケア部会に12月9日Webで参加した。当緩和ケア部会は年4回Web開催で6、9、12月開催し、4回目は来月3月に開催する。また、新たに指定要件になった症状緩和のための専門的治療体制の公表のため、地域がん診療連携拠点病院に対し、アンケートによる実地調査を行った。ので、今後、HPに公開を予定している。緩和ケアフォローアップ研修会は12月11日にWeb開催し、42名の参加があった。第13回兵庫県緩和ケアチーム研修会は、神戸市立西神戸医療センターが担当し、1月15日開催、22施設67名の参加があった。緩和ケア研修会指導者の会は、2月2日にWeb開催した。緩和ケアチームピアレビューは、今年度はパイロット的に関西労災病院の1施設をまず対象に2月24日にWeb開催を予定している。次年度は対象施設を増やして活動したいと考えている。緩和ケア部会運営事務局会議は毎月第1金曜日に開催している。各施設で開催されている緩和ケア研修会は、協議会HPに掲載しているので参照してほしい。
 令和5年度活動計画は、緩和ケア部会は幹事会の日程を踏まえて5月、8月、11月、2月の年4回を予定している。緩和ケア研修会は各施設から報告を受けて、4月1日には公開したい。その他の各行事も継続して実施したい。

⑥「地域連携」部会関連
 令和4年度の活動報告は、昨年度のがんパス使用状況は乳がん4,724件から前立腺がん833件までの累計11千件を超える地域連携パスの使用があった。きちんと見直すとビッグデータになるので、これをどうするかという課題はあるが、都道府県の中ではかなり活用していることになる。また、各がん地域連携パスの見直しをしている。
 令和5年度は、各施設でのがんパスの導入・使用状況について、今年度の結果をアンケート調査をしたい。その中でのがん地域連携パスの運用上の問題点を抽出し、また、パスを離れて、がん地域連携に関する問題点を抽出して対応することが、5年度の活動計画であり、検討課題である。
 地域連携パスの見直しで報告できるのは、大腸がんの術後パス・ESDパスと乳がんパスである。大腸がんパスでは、進行度の修正、ステージ分類表の追加、推奨される治療法の修正、手術アプローチにロボット支援を追加したこと。乳がんパスでは、連携医療機関に歯科医を追加、術後のフォロー期間を5年から10年に修正、ジェネリック薬品が増えているので薬剤名を商品名から一般名に変更したなどの見直しについて報告があった。修正についてはワーキンググループで行って頂いているので、疑問な点があれば事務局に連絡いただきたい。また、肝がんパスと緩和ケアに関する部分は修正がないと伺っているが、他の地域連携パスに関しては検討中で、年度をまたいで検討されるものもある。

〇説明の補足

 大腸がんパスの見直しに対する意見ついて

  大腸がんパスの見直しの説明のところで、大腸がんは外科治療と内視鏡治療の二つの部分があるので、両方の現場の先生の意見がほしいこということをお伝えしたい。

(5)がん生殖医療について (資料5/PDF: 602KB

  「兵庫県がん・生殖医療ネットワーク」の運営状況ですが、兵庫県内では英ウィメンズクリニックと兵庫医科大学病院の2施設で妊孕性温存治療処置を行っている。患者は女性では38名から相談、そのうち温存希望は36名、男性では42名が希望された。原疾患名では、女性は乳がん22名、男性は白血病・リンパ腫22名が最多であった。施設別処置方法は、卵子凍結は英ウイメンズクリニックが多いが精子凍結が最多、兵庫医科大学病院では精子凍結が多かった。県内統計では卵子凍結21例、受精卵凍結10例、卵巣凍結5例、精子凍結が41例であった。
 治療費の助成事業は、兵庫県では一部の市町を除いて令和2年4月から開始、令和3年4月から「小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業」として全国展開された。令和4年4月からは、温存後生殖医療に対しても助成金が始まった。FSリンクという専門アプリを取得し、研究促進事業ということで必要情報を入力・登録し、主治医等が署名した書類必要だが、申請を市役所に提出すれば助成金が受けられる。

(6)がん患者医科歯科連携事業について (資料6/PDF: 172KB

  令和4年度実施事業として、兵庫県医師会は①兵庫県がん診療連携協議会参画病院の中で歯科口腔外科が未設置の病院に対して、郡市区医師会を通じてがん患者医科歯科連携が推進されるよう協議を重ねた。②兵庫県歯科医師会全会員に対して国立がん研究センターが作成した「全国共通がん医科歯科連携講習会テキスト」に基づき、4月24日にDVD講習会を兵庫県歯科医師会館で開催、396施設が参加した。③平成26年から進めている「がん患者医科歯科連携」への協力歯科医療機関の拡充を図り、その情報(マップ図)を整備して兵庫県がん診療連携協議会参画病院等へ周知した。④歯科専門職向けに、口腔がん早期発見に向けた診察のポイント、セルフチェック方法、病院との連携について、県内10圏域のうち8圏域において研修を実施した。333名が受講した。(口腔がん対策推進事業・県委託事業)
 令和5年度実施計画は、4年度と同様に、歯科口腔外科未設置の拠点病院等への推進協議、全国共通がん医科歯科連携DVD講習会の実施、口腔がん対策推進事業の実施、都道府県歯科医師会地域保健・産業保健・介護保険担当理事連絡協議会における情報収集など

(7)小児がんの進捗状況について (資料7/PDF: 1,266,KB

  令和4年度の報告として、小児・AYA世代のがんの長期フォローアップに関する研修会(LCAS)が小児がん拠点病院事業へ移管され、7月3日にハイブリットで開催した。定員があったので全国からの参加数は42名であった。兵庫県がん・生殖医療ネットワークとの連携によるAYA世代がん患者の妊孕性温存提案件数は、男性19齢/女性5例、温存実施数は男性8例/女性1例であった。AYA世代(高校生)への教育支援では、遠隔双方向事業推進(ポケットWi-Fi+PC貸与)で、基本的には病院で授業を受けた者は単位として認められ、実際に大学に進学出来たり、留年せず進学出来たり実績もでてきている。
 令和5年度計画は、大体4年度のものを踏襲したものになっている。コロナによって4年度はかなり規制を受けてほとんどがWebあるいはハイブリット開催だったものを、できれば対面開催を増やしたい。
 小児のコロナウイルスの影響は、第6波までは少なかったが、7波からは非常に増えたので大変だった。コロナ病床は9床を用意していたが、最大13床稼働し、職員も最大で60名欠勤状況があった。今は落ち着いているが、正月前後は予定手術の延期や入院制限など一般診療に影響があったが、その中で小児がん診療はなんとか影響なく継続できた。
 小児がん拠点病院は成人の拠点病院に先駆け、12月22日に全国15施設が指定され、兵庫県立こども病院も今後の4年間も小児がん拠点病院として再指定が決定された。ヒアリングでの資料により(1)小児がんの診療に関する施設の総合的な体制、(2)小児がん診療に関する多職種の連携体制、(3)緩和ケアの提供体制、(4)AYA世代のがん患者への対応、(5)長期フォローアップ体制、(6)地域との連携体制、(7)小児・AYA世代のがん患者の相談支援・情報提供体制、(8)患者の発育及び教育に関して必要な環境整備、(9)臨床研究の体制・実績、(10)その他として病棟麻酔、陽子線治療についてなど、指定にあたり求められた10項目と、2月15日の「国際小児がんデー」について説明があった。

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