兵庫県がん診療連携協議会
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令和4年度 第1回兵庫県がん診療連携協議会幹事会 議事録  令和4年6月16日(木)Web開催

 第1回幹事会が令和4年6月16日(木)にWebにより開催され、兵庫県内の地域がん診療連携拠点病院等44病院及び関係病院等2施設・3団体の代表者が参加した。
※ 幹事、事務担当者等、代理を含め100名が出席 (欠席施設等:2施設)

(1)前回幹事会及び協議会議事録の確認

 今年2月17日開催の第2回幹事会議事録及び4月7日開催の第17回協議会議事録は、本協議会のホームページに掲載されているので、内容の確認をしていただきたい。

(2)がん対策について (資料2/PDF: 222KB

①兵庫県内のがん診療連携拠点病院等の指定状況等
 国指定拠点病院の変更は、神戸圏域で神鋼記念病院、阪神南圏域では県立尼崎総合医療センターがそれぞれ昨年4月に追加になった。東播磨圏域の加古川中央市民病院については、今年4月に高度型で指定類型が変更になり現在18病院。県指定拠点病院での変更は、阪神南地域の明和病院が昨年10月に追加になって現在8病院。 準じる病院は変更なしで20病院。合わせて46病院で、がん診療に連携して当たって頂いている。次の「がんの先進的医療に特化した治療提供している医療機関」「がんゲノム医療拠点病院」「がんゲノム医療連携病院」「小児がん拠点病院」「近畿ブロック小児がん連携病院」については、特に変更はない。
 現在、国で拠点病院の整備指針の見直しが検討されている。3月に指定要件に関するワーキングの開催が予定されていたが、延期となって5月30日に開催された。都道府県がん診療連携協議会のあり方など16項目の指定要件の見直しについて協議されたが、その際は見直しの総論で各論に入っていない。 6月20日に開催されるワーキングでは各論について議論され、その後、がん診療連携提供体制のあり方検討会を経て新たに改定された整備指針が公表されることになると思う。
 一方、現在の国及び県指定病院の指定期間は今年度末となっている。新たに来年度以降の指定を得るためには、見直しされた整備指針に基づいて県から国に指定病院を推薦することになる。そのスケジュールは、当初は7月頃に新たな整備指針が発出される予定であったが遅れている。 県から国に推薦する期限が10月末となると、医療機関から県に整備指針の要件を満たしているか確認するための現況報告を10月上旬・中旬頃までに提出頂くことになる。現況報告の様式は整備指針の見直しにあわせて作成されるので、見直された様式が国から届き次第、すぐに医療機関に送らせてもらうので、提出期間を厳守でお願いしたい。

②令和4年度当初予算について
 兵庫県がん対策推進計画に基づき「推進体制の整備」「がん予防の推進」など5本の柱ごと にまとめている。現在、行政改革による見直しを行っているが、県の財政が非常に厳しい。その中で、令和4年度の予算は、14億1,300万円と昨年度より約1億3,000万円減になっている。主な要因として「がん患者の療養生活の質の維持向上」の中の「在宅介護緊急対策事業」で、事業所等のICT機器の整備補助の対象が減ったことにより、約1億1,500万円減となっている。
 新規事業として「子宮頸がんワクチンの接種再開に向けた環境づくり」で、4月からの接種再開に向け、医療従事者の研修、正しい知識の普及啓発に64万円を計上。また、昨年度「歯と口腔の健康づくり推進条例」が制定され、この条例を受けて「口腔がん対策推進事業」として医療従事者の研修、普及啓発などの経費に99万円計上している。

③若年者の在宅ターミナルケア支援事業について
 この事業は新しい事業ではなく、平成27年度から実施している事業で、周知が不足しているとのことで、改めて紹介する。
 末期がんの方が40歳以上なら特定疾病ということで介護保険が適用され、20歳未満の方については、正確に言えば18歳までだが、小児慢性特定疾患として日常生活用具の購入補助の対象となる。この制度は、公的支援がない20歳代、30歳代の方を対象に、食事や入浴などの身体介護、或いは掃除、洗濯などの生活援助の訪問介護を利用した場合、利用料の1割負担で利用できるもので、全国的にも貴重な制度と考えているので、もし対象の方がおられたら紹介して頂きたい。

(3)幹事会運営要領の改正について(資料3/PDF: 279KB

 今回の改正は、令和4年5月1日に県指定拠点病院であった製鉄記念広畑病院が、県立姫路循環器病センターとの統合により、兵庫県立はりま姫路総合医療センターに改変されたことに伴うもので、運営要領の改正内容は、第3条第1項第6号に規定の兵庫県指定がん診療連携拠点病院の別表1において、播磨姫路圏域の「製鉄記念広畑病院」を「県立はりま姫路総合医療センター」に改めるもので、本日の幹事会開催日、令和4年6月16日からの施行とする。

〇兵庫県がん診療連携協議会の組織体制と幹事・部会員一覧について

 協議会の組織体制の説明と、4月の人事異動等により、情報・連携部会長、がん登録部会長、緩和ケア部会長が新たに就任となった旨、説明があった。

(4)協議会・幹事会並びに各部会の令和3年度活動報告及び令和4年度活動計画について
資料4/PDF: 4,900KB

①「協議会・幹事会」関連
 令和3年度は、協議会、幹事会、共にWebで開催した。ひょうご県民がんフォーラムは、会場とWebのハイブリットで、「小児とAYA世代について」をテーマに兵庫県立こども病院の担当で開催した。
 令和4年度は、4月7日に協議会はWebで開催した。幹事会は本日(6月16日)と、次回は来年2月9日にWebで開催を予定している。本年度の「ひょうご県民フォーラム」は、11月26日、けんみんホールで「肺がんと膵がんの最新の医療について」をテーマに、姫路医療センターが担当で開催を予定している。

②「研修・教育」部会関連
 令和3年度は、「がん看護コアナース育成セミナー」は、すべてWebで開催した。「研修・教育部会セミナー」は、10月9日に「がんゲノム医療の新展開」をテーマにWebで開催し、107名の参加があった。  「放射線セミナー」は、10月30日に「肺がんの診断と治療-update-」をテーマにハイブリットで開催。会場53名Web170名の計223名の参加があった。「検査セミナー」は、12月4日に「多発性骨髄腫~見えない腫瘍を求めて~」をテーマにハイブリットで開催。会場35名、Web114名の参加があった。 「薬剤セミナー」は、「多発性骨髄腫」をテーマに1月14日~31日までオンデマンド配信し、136名の視聴があった。「兵庫県がん化学療法チーム医療研修会」は、「がんゲノム医療」をテーマにWeb開催。10チーム40名の参加があった。「ひょうご県民がんフォーラム」は、10月23日に「小児とAYA世代のがんについて」をテーマにハイブリットで開催。担当病院は兵庫県立こども病院で、会場44名、Web102名の参加があった。
 令和4年度は「がん看護コアナース育成セミナー」は3回に分けて、いずれも平日17時30分から開催でWeb開催。「兵庫県がん化学療法チーム医療研修」は日程、開催方法は未定だが、「がん治療における妊孕性温存(仮)」をテーマに開催予定。「研修・教育部会セミナー」は10月8日に県民会館パルテホールで、「up to date 遺伝性腫瘍(仮)」をテーマにハイブリッドで開催。「放射線セミナー」は10月15日に「膵臓がんの診断と治療-update-」をテーマに開催方法は未定。 「検査セミナー」は11月5日に「オンコロジー・エマージェンシー」をテーマに開催。開催方法は未定。「薬剤師セミナー」は1月21日に開催。日程、テーマは未定ですが、今回は現地開催のみの開催。「ひょうご県民がんフォーラム」は11月26日に日程がきまっている。開催方法は未定だが「肺がんと膵がんの最新医療について」をテーマに姫路医療センターが担当で開催する。
 PDCAサイクルでの令和3年度としては、セミナー等はコロナ禍の中で色々な開催方法を模索しながらほぼ達成できた。参加者にとってはハイブリットでの開催は負担が少ない。コロナが終息してもハイブリット開催は残してもらいたいが、会場に来る人が減り顔をみてのコミュニケーションが取りづらいという欠点はある。また、開催曜日について、ドクターは比較的曜日に拘らないが、技師の方は土曜日でないと参加しづらいという意見もある。理想的には平日の時間内に1時間ぐらいで済めば負担が少ない。働き方改革というもあるので、今後ご意見をいただき、議論を深めていけたら良いと思う。

③「情報・連携」部会関係
 令和3年度は、部会を年4回全てWebで開催し、事務局会議は臨時を含めて6回、Webで開催した。
 令和4年度は会議の回数を増やしている。今年度は事務局会議を毎月行い、各サブグループが円滑に今年度の計画を進められるようにサポートする体制を強化している。部会に関しては昨年度同様に年4回予定。第1回は6月17日、就労支援をテーマにハローワークからも参加を得て、具体的な問題の共有と解決策などグループワークを行う。 10月には相談員研修を行い、12月はピアサポーターとの交流会を予定している。課題として、コロナ禍における重点目標をどう両立させるかいうことで、「就労関連」では、県内で専門担当者がいるハローワークは3か所のため、拠点病院とハローワークとのオンライン面談の実現。拠点病院紹介前に既に離職しているケースが多いため、これに対応するため関係先との連携を模索したい。
 「ピアサポーター関連」では、ピアサポーター養成研修などの実施と患者サロンのオンラインを実施している施設の情報共有、各病院のインフラ整備の協力など配慮いただきたい。
 また、時間内の会議等について、病院の担当者のご参加について併せて配慮いただければ幸いである。

④「がん登録」部会関連
 令和3年度は、がん登録部会を6月28日、全国がん登録関連の動きなどを議題にWeb開催し、41施設49名の参加があった。実務者ミーティングは2回開催し、11月19日には、国立がん研究センターの江森先生に「2018年症例以降の登録ルールの変更について、多重がんルールの概要」を講演いただいた。 2月9日には、院内がん登録情報の兵庫県がん診療連携協議会HP公表案について協議し、同日に院内がん登録事務局会議を開催し、次年度からのミーティング内容と開催当番について協議した。いずれもWebで開催した。また、5月31日には都道府県がん診療連携拠点病院連絡会議のがん登録部会にWebで出席。そこでは、「全国がん登録の動き」などについて報告があった。全国がん登録実務者研修会は、「全国がん登録の実務」をテーマに国立がん研究センターの松田先生を講師に12月20日から1月20日まで動画配信し、371回の視聴回数であった。
 令和4年度の活動計画は前年度の同様に、部会は6月28日Web開催。実務者ミーティングも年2回開催を予定。4月27日に都道府県がん診療連携拠点病院がん登録部会がWebで開催され出席した。全国がん登録に関する研修会は現在、開催時期、内容は未定。参考資料として実務者ミーティングでまとめた2019年症例、施設別、部位別、がん登録件数を添付している。
 PDCAサイクルでは、第1項目に「がん診療情報を収集・分析する体制整備」を挙げている。拠点病院指定要件として登録数や各治療法などについて専門家だけでなく、患者・家族にわかりやすい内容で掲載することが求められているため、実務者ミーティングで検討し、2019年院内がん登録数と大腸・肺・胃がんの施設別治療法集計データを兵庫県がん診療連携協議会HPに掲載している。第2項目「がん登録実務の精度向上」は、実務者が異動で変わることがあるため、今後もレベルアップが必要。実務者ミーティングを活用しながら資質の向上を図る。 令和3年度は2回開催した。第3項目「全国がん登録情報の予後情報還元申請」は、全国がん登録をして頂いた施設は、調査研究のために情報を還元するという制度があるが、申請に慣れていない人がいるので部会で情報共有を図る。令和4年度の項目は3年度と同様とする。まだまだ必要な部分が残っているので、関係者集まってより良いものにしていきたい。

⑤「緩和ケア」部会関連
 令和3年度は、都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会 緩和ケア部会が12月10日にWeb開催され、それに参加した。県内の活動に関しては、緩和ケア研修会指導者の会を1月22日にWeb開催し、28名の参加があった。緩和ケア部会・地域連携部会合同セミナーは、6月24日にWeb開催、66名の参加があった。兵庫県緩和ケアチーム研修会は、市立伊丹病院に持ち回りで担当いただき、1月22日にWeb開催で87名参加頂いた。緩和ケアフォローアップ研修会は、2月27日Web開催、39名参加。重篤な疾患を持つ患者さんとの話し合いの手引きということで講演いただいた。つまりコミュニケーションプログラムに関して研修を実施した。緩和ケア部会コアメンバー会議は、記載のメンバーで部会運営に関して会議を開催した。
 PDCAサイクルで、3年度に「緩和ケアの質の向上」として、緩和ケア研修会をWebで開催するマニュアルを完全Web開催した施設から案を頂いて作成した。また、緩和ケア提供に関するピアレビューを項目にあげていたが、未達成として引き続き検討が必要ということで、4年度の活動計画に「緩和ケアチームピアレビュー」をあげている。もう1点は「がんの痛みに対するインターベンショナルナル治療」で、ペイクリニック、IVRや放射線治療などの専門的な治療の実施状況を明らかにしたい。
 令和4年度は、緩和ケア部会の運営方法を変更していきたい。部会は年4回(6月・9月・12月・3月)Webで開催する。部会運営に関する基本方針として①緩和ケア提供体制の整備、緩和ケアサービスの質の向上を推進するため、部会活動をさらに活性化する。②部会会議で活動計画を立案する。③部会会議の頻度を増やし、運営事務局で調整する。④活動計画に併せて小集団を形成、実行していく。(※部会会議の開催形式と内容、運営事務局のメンバーと役割・活動、小集団(SG1~5)活動内容とリーダー等について資料により説明があった)
 説明した部会の運営方針について、幹事会で承認いただけたら、来週の部会会議(6/23)で今年度の運営について部会員にお願いしたいと考えている。

〇緩和ケア部会の新たな運営方針について

  出席者から異議はなく、幹事会で承認された。

⑥「地域連携」部会関連
 令和3年度は、前年3月末時点でのがんパスの使用状況は、乳がん3,914件をはじめ5大がんについて累計で9,984件と多くの使用があった。乳がんパスは、5年パスを10年パスに見直し、それを作成した。がん地域連携に関して「Webによる退院前カンファレンスを始めるために」をテーマに、緩和ケア部会と合同セミナーを行った。
 令和4年度の活動計画は、課題として①がんパスは導入・使用状況をグループ毎に検討する。②パスの運用上の問題点を抽出して見直す。③がん地域連携に関する問題点を抽出する。と前年度とあまり変えていない。
 使用状況では、パスはたくさん使われているが、全体としてハイボリュウームセンターでの使用件数が落ちている。検討の必要がある。既存パスは、乳がんパスは見直したが、他のパスはあまり変更していないので多くの問題点がある。新規に作った大腸がんESDパスも検証する必要がある。地域連携の課題に関して、コロナ禍では連携が難しいということで、遠隔リモートでの退院前カンファレンスを中心に検討したが、引き続き活用の検討を続けていきたい。がんゲノム医療などの新規治療に関しては、地域から拠点病院に患者を送るにあたり、情報が足りないので連携が必要。
 今年3月末時点における連携パスのアンケート調査で47施設から回答があった。国指定では18施設中5施設で5大がん全てのパスが使われ、13施設では1種類以上のパスが使われていた。県指定、準ずる病院で5大がん全てのパスを使っている施設はなかった。県指定では8施設のうち1施設でパスが使っていない施設があった。準ずる病院では20施設中10施設ということで、まだまだパスが浸透していないが、トータルとして昨年度は1,403件の登録があった。3月末時点の累計では11,387件のパス利用があった一方で脱落が1,027件、大きなバリアンスが19件。昨年はなかったので、これについては検討する必要がある。また、県の統一パスではなく別のパスを使っている施設が1施設あったが、県のパスを使っていただきたい。パス担当の先生方が中心となってもう一度、情報を取り直したり、各施設で改良した箇所などを抽出してパスを作り直すなど、パス全体を作り直す時期に来ている。
※ 5大がんのパス稼働状況、施設別・地域別・連携件数、自由意見などに対して、資料の説明があった。

〇連携ノートの活用に関して兵庫県歯科医師会からの提案

 ・乳がん、前立腺がん患者の骨転移が問題になってきている。骨転移の治療する前に歯周病のケアなどの治療や口腔ケアをやっていれば有事事象を防げるとの報告もあるので、連携ノートを活用して歯科医が関わることができるようにしていただきたい。ノートを改正するような計画があるなら歯科の部分を加えていただきたい。

 ・国も口腔ケアを進めている。各病院に地域連携部会の代表の方がおられるので、特に乳がんと前立腺がんの連携ノートに「かかりつけ連携歯科医師」という項目を設け、周知して連携ノートを持って行ってもらうことはできる。幹事会としては、その方向で進めてもらう。

(5)小児がんの進捗状況について (資料5/PDF: 1,200KB

  令和3年度活動報告は前回の幹事会、協議会で報告しているので、説明は割愛する。4年度の活動計画も大きく変わっていない。ここで小児病院のコロナ状況について説明しておきたい。第6波になって急に小児患者が増加してきたので、手術や入院を制限せざるを得なくなり、1病棟をコロナ病棟とした。重症患者が入ってきて挿管人工呼吸器管理も5例あった。PICUがコロナ患者で埋まり、一般患者がPICUに入れない状態が一時生じたが、現在は感染状況が少し落ち着いてきた。
 令和4年度の活動計画で主なもの3つを紹介する。一つは、「小児がん看護研修」で、例年3回開催していたが、コロナの影響で今年度はWebで2回だけとなった。7月と11月に予定していて全国から申込がある。二つ目は日本で2番目に高額な薬「チサゲンレクルユーセル(キムリア)による治療が10月頃には診療が開始できる見込みとなった。この薬は25歳以下の患者に使用でき、現在、県下で治療承認施設は2施設、いずれも成人施設で小児腫瘍医は不在のため、現在は兵庫県立こども病院も他府県の小児認定施設に治療を依頼していた。 三つ目は、小児がん拠点病院が持ち回り開催するL-CAS「小児・AYA世代のがんの長期フォローアップに関する研修会」を7月2~3日に兵庫県立こども病院がハイブリットで開催する。小児がん診療連携病院のカテゴリーⅠとⅢの施設は1人以上の受講が必須となっている。今回は申込を締め切っているが、年3回程度開催されるので受講をお願いしたい。
 今年秋から小児がん拠点病院の再指定審査が行われる。小児がん拠点病院は全国で15施設、うち小児専門病院は6施設、他は総合病院・大学病院が指定されている。小児がん拠点病院が連携病院を指定することとなっているので、カテゴリ―Ⅰ~Ⅲに分けて県内10病院を指定している。今回、成人がんと小児がんの拠点病院の指定要件を診療実績、施設要件、診療従事者に関する要件で比較してみた。その中で診療実績は成人がんの院内がん登録数、手術件数は圧倒的に多かった。小児がんは全国で年間2,000症例と言われているので、成人がんに比べて少ないが、兵庫県立こども病院の固形腫瘍年間件数は全国で一番多い。トータルの件数では国立成育医療研究センターに次いで2番目の多さで、症例数は指定要件を十分に満たしている。 また再発・難治例に関する拠点病院カバー率は、大阪に比べて兵庫県は高く90%を超えている。指定要件に関し小児と成人で同じようなところも多いが、患者及び家族が心の悩みや体験等を語り合うための場を設けるなど、小児に特有な項目もある。前回の改正の特徴として「小児がん」から「小児・AYA世代のがん」に表現が変わった。また、指定要件に緩和ケアの専門医が必要になりそうだが、それは小児専門病院にとってかなり厳しく、緩和ケアが充実した成人の施設と連携して認定施設になれるよう、今後は当協議会の緩和ケア部会にオブザーバーとして参加させてほしい。

(6)その他(資料6/PDF: 2,400KB

 ・拠点病院の指定要件は7月頃に改定になる予定だが、整備が少し遅れている。10月には新たな指定に向けて関係書類を提出しなければいけない。緩和ケア、連携情報の部分で指定要件が厳しくなると聞いているが、厳しい日程で指定要件の内容をお知らせすることになるので宜しくお願いしたい。

 ・資料として配布している各病院のPDCAサイクルは、「がん診療連携拠点病院等の整備に関する指針」の中で、PDCAサイクルの確保について各病院の情報共有と相互評価を行い、地域に対してわかりやすく広報することとなっているので、情報共有することをご了承願いたい。

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