兵庫県がん診療連携協議会
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令和2年度 第2回兵庫県がん診療連携協議会幹事会 議事録  令和3年2月4日(木)Web開催

第2回幹事会(以下、幹事会)が令和3年2月4日(木)にWeb開催により開催された。兵庫県内の地域がん診療連携拠点病院等47病院及び関係病院等5団体の代表者が参加した。

(1)がん対策について(県疾病対策課) (資料1/PDF: 280KB

①兵庫県内のがん診療連携拠点病院等の指定状況
 令和3年2月1日現在の兵庫県内の10医療圏の「がん診療連携拠点病院」の指定状況(国指16、県指定9、拠じる病院21)、及び「がんの先進的医療に特化した治療を提供している医療機関」(3病院)、「がんゲノム医療拠点病院」(3病院)、「がんゲノム医療連携病院」(4病院)、「小児がん拠点病院」、「近畿ブロック小児がん連携病院」などの報告があった。

②令和3年度予算案の概要(厚生労働省健康局)
 令和3年度がん対策予算の総額は、6億円増の365億円、がん診療連携拠点病院機能強化事業費(全体)として昨年度同額の51.1億円(県も同額)、新規事業費として「小児・AYA世代のがん患者等の妊孕性温存療法研究促進事業」に11.3億円、兵庫県は令和2年度から県単独事業として市町村を実施主体としたが、実施しない市町もあった。令和3年度からは、正式ではないが、兵庫県が実施主体となって実施する旨、報告があった。

(2)協議会・幹事会並びに各部会の令和2年度活動報告及び令和3年度活動計画 (資料2/PDF: 3.9MB

①「協議会・幹事会」関連
 令和2年度は、4月9日協議会、6月4日第1回幹事会は新型コロナウイルスの影響を受け資料配布とした。第10回「ひょうご県民がんフォーラム」は「ここまで来た最新の肺がん治療~ロボット手術と免疫複合治療~」をテーマに10月24日(土)に、関西労災病院が担当してWebで開催された。
 令和3年度は、4月15日に協議会、6月10日に第1回幹事会、第2回幹事会は日程未定、第11回「ひょうご県民がんフォーラム」は10月又は11月にけんみんホールで開催予定。テーマは未定との報告があった。

②「研修・教育」部会関連
 令和2年度は、COVID-19の影響で、ほとんどの実地での研修会が中止されている。「がん看護コアナース育成セミナー」は中止、「兵庫県がん化学療法チーム医療研修会」はWeb開催、研修・教育部会、放射線、検査の各セミナーは、会場参集とWebのハイブリッド方式で開催。薬剤師セミナーは、2月12日からオンディマンド配信を予定している。第10回「ひょうご県民がんフォーラム」は、関西労災病院の担当で開催し、YouTubeで配信した。
 令和3年度は、いずれも詳細は決まっていない。ほとんどWeb又はハイブリッド方式になる予定。「ひょうご県民がんフォーラム」は、10月23日又は11月27日に神戸圏域の施設が担当となると報告があった。

③「情報・連携」部会関係
 当部会は、早期からWeb会議に対応していたので、スムースに運営できている。年4回の実務者ミーティングは、今までと変わらない人数が参加している。事務局会議は、実務者ミーティングの運営のために開催している。今後の全体の運営を話し合っている。
 がん相談の運営においては、相談員の育成が必要になってくる。国立がん研究センターが開催するがん相談員の研修に、各施設から看護師・ソーシャルワーカーを派遣して、地域でがん相談を受けられる体制づくりに御協力頂きたい。また、ピアサポーターの活動が十分に維持できるよう協力をお願いしたい。

④「がん登録」部会関連
 例年、がん登録部会は6月に開催していたが、今年度は諸事情にとり開催中止とした。院内がん登録実務者ミーティングは、2月2日、Web開催し、36病院、67名の参加があった。院内がん登録の公表データは、各病院から承認頂いたので、幹事会に報告した。都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会(以下「連絡協議会」がん登録部会は、6月16日にWeb会議され、施設のがん患者カバー率集計、院内がん登録生存率集計について検討された。また、国立がん研修センターから講師を招いて開催していた「全国がん登録実務者研修会」は新型コロナウイルス感染症流行下ということで中止した。
 令和3年度は例年どおり、がん登録部会、院内がん登録実務者ミーティング、全国がん登録に関する研修会を開催し、連絡協議会がん登録部会へ参加する旨、報告があった。

⑤「緩和ケア」部会関連
 連絡協議会緩和ケア部会がWeb開催され、新型コロナウイルス感染症流行下における緩和ケア研修会について、今後は一部Web開催が可、施設要件の該当期間は令和3年12月まで1年延長が検討されていた。また、施設間で評価するピアレビューのオンライン実施の報告があった。
 県内の緩和ケア研修会は、26施設の予定に対し4施設で中止、開催したところは、感染対策をして又はWebで開催。緩和ケアチーム研修会は関西労災病院が担当、28施設77名の参加があった。この時にピアレビューを行っている。緩和ケアフォローアップ研修は、3月7日にコミュニケーションをテーマに開催を予定している。令和3年度は同様のことを実施する予定としている旨、報告があった。

⑥「地域連携」部会関連
 がんパスの使用状況について、アンケート結果の報告があった。大腸がんESD パスには使っていない施設が多いが、大きな問題点は上がっていない。既存の連携ノートの中で、がんの取扱い規約が更新された内容と違うのではないかという意見があり、臓器別WGで検討も考えたが、新型コロナウイルス感染症流行下で多忙ということもあって各施設対応とした。
 令和3年度は、3項目を挙げているが、このほかに退院前カンファレンスを病院と診療所で行うリモートカンファレンスについて、アンケートの実施を考えている旨の報告があった。

〇質問・意見
 次年度の協議会行事日程について(丹波医療センター)

・来年度の行事予定が、学会と重なっている。4月15日の協議会は消化器病学会と、がんフォーラム予定の10月23日はがん治療学会と、11月27日はクリニカルパス学会と、それぞれ重なっている。既に予定は組まれていると思うが、重なっていることを申し上げておきたい。

・色々な条件を満たすのは調整が難しいが、各行事日程については再度検討してみる。

(3)兵庫県がん・生殖医療ネットワークの運営状況について(兵庫医科大学病院)
 (資料3/PDF: 1.6MB

 2020年1月からの1年間の妊孕性カウンセリング実施数54名のうち46名の希望者があった。ネットワークの参加施設(英ウイメンズC、徐レデースC、兵庫医科大学)の卵子凍結、胚凍結、卵巣凍結、相談のみ)における取扱い件数、男性がん患者に対する妊孕性温存をネットワークに含めることなどについて報告があった。また、ネットワーク設立後の5年間の実施周期数の推移及び症例数について報告があった。
 今後の課題として、①昨年、治療の助成事業が開始されたが、西宮市など一部市町で未整備。②男性を対象患者に含めたが、泌尿器科施設との連携が必要。③治療施設は、日本がん・生殖医療学会の認定医、認定施設などの資格が必要で、兵庫医科大学病院はこれを維持する必要がある。④凍結卵子と卵巣の移植例はないが、卵子凍結は未婚患者に適用され、卵巣凍結は小児にも適用があるため、移植までの長期間の保存が必要で、原疾患の治療後の妊娠支援体制及び長期間保存後の移植率と妊娠率を検討する必要があるとの報告があった。

(4)がん患者医科歯科連携協定について (資料4/PDF: 134KB

 令和2年度の事業報告、令和3年度の事業計画について、兵庫県歯科医師会から資料の提出があったので、幹事長から報告があった。令和2年度の内容は、「歯科口腔外科未設置病院への取り組み」、兵庫県歯科医師会員を対象に実施した「全国共通がん医科歯科連携DVD講習会」の開催で、令和3年度についても同様の事業を計画しているとのことであった。

(5)小児がんの進捗状況について (資料5/PDF: 3.4MB

 令和2年度の活動報告として、「看護研修会」は3回シリーズを予定していたが、2回目の10月24日のみ会場とWebのハイブリッドで開催し、36名参加があった。「小児がん相談員合同研修会」は、2月13日にWeb開催を予定。「小児・AYA世代のがんの長期フォローアップに関する研修会」は、全国15の小児がん拠点病院が持ち回り開催することなり、今年度は京都府立医科大学病院主催11月7日、Web開催された。来年又は再来年には、兵庫県で開催することになる。そのほか症例検討会、講演会などは軒並み中止となった。
 兵庫県がん・生殖医療ネットワーク事業との連携において、こども病院のAYA世代がん患者の妊孕性温存処理は、卵巣保存5、精子保存1、精巣組織保存2であった。今後も積極的に実施したい。
 医療連携(兵庫県小児がん連携病院)としては、拠点病院に準じた診療を行う連携病院(カテゴリー1)として3病院、特定のがん腫について診療担当お願いする連携病院(カテゴリー2)として2病院、長期フォローアップ体制に協力いただく連携病院(カテゴリー3)として5病院、計10病院を指定させていただいている。
 その他、AYA世代のがん患者の経済的支援(妊孕性温存治療費の助成等)や高校生の教育支援(同時双方向型遠隔授業による単位取得等)などについて報告があった。

〇質問・意見

 妊孕性温存治療費助成事業について(丹波医療センター)

・妊孕性温存治療費の助成事業については、今後、実施主体が兵庫県に移管して、その治療が必要な方への参加は、どのような形で対応すればよいか。

・国が有識者を集めて検討会を立ち上げ、制度について検討されているが、詳細は決まっていない。各拠点病院の医師が参加となると、現時点では兵庫医科大学のシステムに参加されることがよいと考える。がん治療専門医と生殖医療専門医の連携強化が必要となるが、国から具体的なことがわかれば情報提供する。
また、国の検討会をYouTubeで見たが、泌尿器科学会でも妊孕性温存治療に適した病院をピックアップする作業をすると聞いている。今のところ、産科婦人科サイドでの女性が中心であるが、今後は、泌尿器科サイドの男性も含めた連携体制の構築が進められる。

〇その他情報共有・提案

 がん診療連携拠点指定の指定要件について(議長)

・昨年の都道府県がん診療連携拠点病院連絡協議会において、拠点病院の指定要件を見直す案があった。現在は1つのがん医療圏に1つの地域がん診療連携拠点病院という原則がある。国に推薦する時に、診療機能が甲乙付け難い場合、複数設置を認めてもよいのではという案がある。また、年度の途中に指定要件が外れた場合なども検討されており、これらの取り扱いの通知があればお知らせする。

 在宅医療連携ツール「バイタルリンク」について(兵庫県医師会)

・地域連携部会の報告に、がんパス、カンファレンスに係るWeb化という話があったが、県医師会は兵庫県の支援を受けて、在宅医療連携のツールとして「バイタルリンク」を既に28の医師会で導入している。多職種が関わるカンファレンスもでき、Zoomと連携して会議もできる。退院時カンファレンスから地域連携を目指した在宅サポートに至るまでやり取りができる仕組みで、地域連携室に置いて適時使用されるのがよい。是非利用していただきたい。

 新型コロナ下における診療受診について(議長)

・新型コロナウイルスを恐れるあまり症状があっても病院に行かない、検診に行かない人がたくさんおられる。がんセンターでも症状が出てどうにもならなくなってから受診し、進行がんであったというケースもあった。是非、患者さんには、検診、症状のある方は受診を促してほしい。

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